佐村河内守にゴーストライターが!奇跡の全聾作曲家の欺瞞と苦悩

佐村河内
広島県出身で、被爆2世、そして全聾(両耳が聞こえない)というハンディキャップを抱え、抑鬱神経症や不安神経症という難病と闘いながら、交響曲第1番《HIROSHIMA》という名作を生み出したとされていた作曲家、佐村河内守(さむらごうち まもる)に、ゴーストライターがいた事実が明らかになりました。

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佐村河内は、NHKの情報番組で取り上げられて注目を浴び、2013年3月にはNHKスペシャルのドキュメンタリー番組「魂の旋律~音を失った作曲家~」で特集され、一躍時の人になりました。

CDはクラシックとしては異例の18万枚を超えるヒットを記録しています。

堕ちた偶像、現代のベートーヴェンにはゴーストライターがいた

佐村河内のプロフィールは、これまで次のように、紹介されてきました。

佐村河内守(さむらごうち まもる)、広島県出身、1963年生まれの50歳。

母親によって、4歳のころからピアノの英才教育を受け、ヴァイオリン、マリンバなどにも親しんでいました。

5歳で「マリンバのためのソナチネ<無の弾劾>Op.1」を作曲、小学校4年生でベートーヴェンのピアノソナタやバッハを弾きこなしたとされ、神童とも呼ばれていたようです。

10歳の時に、「母親からもう教えることは、何もない」と言われたと伝えられています。

その後作曲家を目指して、独学でクラシック音楽の理論を学びました。

音楽に打ち込む半面、中学校時代にはケンカを繰り返すような暴力的な一面を持っていました

1981年広島の崇徳高校を卒業して上京、音楽大学には進まず、独力で作曲家への道を歩もうとしました。

音楽大学に進まなかった理由は、”現代音楽の作曲法を嫌っていた”ことが挙げられていますが、経済的な事情などの、別の理由があったとの話もあるようです

建設現場などで、肉体労働をしながら、作曲を続けていました。

1982年には、仕事を失って、半年間あまり、いわゆるホームレスとして、路上生活を送ったこともあるようです。

1988年25歳で、ロック歌手としてプロデビューしましたが、精神的な支えだった実弟が交通事故で急逝したことにショックを受け、事務所との契約を解除してしまいました。

アマチュアとしてバンド活動を続けますが、17歳(高2)のころからすでに始まっていた聴力障害と片頭痛が重症化し、1989年バンドからの脱退を余儀なくされました。

耐えられないほどの激痛が襲う発作は、4,5日に1回から次第に間隔が狭まり、ついには1日1回、さらに日に何度も襲われるようになり、外出さえままならぬ日々が続くようになります。

大学病院で精密検査を受けますが、脳には異常が認められず、医師からは「原因不明の強度の偏頭痛としか申し上げられないし、特別な薬もありません」と告げられてしまいました。

その後の活動の詳細は、詳しくは公表されていませんが、病気と闘いながら、細々と作曲活動は続けていたようです。

1996年すずきじゅんいち監督、小田茜主演の「秋桜」の音楽を担当し、注目を浴びます。

1997年にはラサール石井初監督作品「六悪党」の音楽も手掛け、人気ゲームソフト「バイオハザード」の音楽のオファーも受けました。

このころには、すでに左耳の聴力は失われていたことを後に語っています。

1998年、35歳のとき、『鬼武者』のための音楽のオファーを受け、作曲し始める直前に聴覚を失って全聾となってしまいます。

長らく聴覚障害を隠していた理由について、

「耳の不自由な作曲家の作品には、同情票がつくであろうこと。それだけはどうしても避けたかったのです」

『聴覚障害を売り物にした』という誤解も避けられない」

と語っています。

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ゴーストライターをしていた作曲家は、これらの経歴にうちのほとんどは、佐村河内本人のものではなく、自分の経歴であると語っているようです。

佐村河内には、交響曲を作曲できるような音楽的素養はなく、そもそも楽譜を書くことができないとまで言っているようです

もしそれが事実であれば、佐村河内は、現代のベートーヴェンどころか、稀代の詐欺師ということにもなりかねません。

今回ゴーストライターによる代作が、佐村河内の代理人の弁護士によって、明らかにされましたが、代作が始まったのは10数年前からとしており、これは両耳の聴力を完全に失ったころに符合します。

鬼武者の音楽「交響組曲ライジング・サン」の完成披露後に、全聾になったことを初めて公表しています。

「音がまったく聞こえないと気づいた瞬間、全身からの血の気が引いていくのがわかりました。続いて言葉にできない恐怖が全身を貫きました。」

「この先どうしたらいいのか、作曲ができなくなるのではないか。脳の許容量を超えて思考が完全に停止してしまい、記憶がないまま、私は数時間、部屋に立ち尽くしていました」

この時、鬼武者の締め切りまでわずか3カ月、代作を勧める悪魔が、佐村河内の聞こえぬ耳にささやいたと考えることは不自然ではないでしょう。

抑鬱神経症や不安神経症を病み、常にボイラー室に閉じ込められているかのような轟音が頭に鳴り響く頭鳴症、耳鳴り発作、腱鞘炎などに苦しみながら、作曲活動に取り組む姿が、2013年3月、NHKスペシャルのドキュメンタリー番組「魂の旋律~音を失った作曲家~」で紹介されて、世間に衝撃を与えました。

「暗い部屋でじっと瞑想をしていると、分厚い耳鳴りノイズの間から音が降りていこうとするんです。」

「単音であったり、複雑な和音であったりするんですけど。それを、調和が取れていない音がないか、ひとつひとつの音を確認していくんです。」

「そして最終的には、100の楽器のアンサンブルが80分間、頭の中で演奏されるんです」

と作曲の様子を語っています。

光を浴びることで偏頭痛や耳鳴りの発作が誘発されるため、自宅では暗室に籠り、発作が起こると歩くこともままならず、自宅の中を、はいずり回って苦しむ様子も放送されました。

外出時には光を避けるためのつばの広い帽子とサングラスを着用しています

2003年、『交響曲第1番 HIROSHIMA』が完成、ボランティアでピアノを教えていた盲目の女児しおりちゃんに献呈したことも美談として紹介されています。

魂の旋律

佐村河内は、この作品の完成直後に、発作的に自殺を図り、未遂に終わっていますが、2年後の2005年にも2回目の縊死を図り、これも未遂に終わっています。

その理由は、病苦とされていましたが、他人の作品を自分の作品として発表したことに対しての自責の念にかられたことも、理由の一つではないかと推測されます。

この作品は発表直後から、クラシック音楽関係者の間では、話題になっていましたが、一般に知られるまでには至りませんでした。

それが2008年9月、広島で開催された「G8議長サミット記念コンサート〜ヒロシマのメッセージを世界に〜」の中で、佐村河内の交響曲第1番の第1楽章と第3楽章が広島交響楽団により世界初演されたことで、マスコミの注目が集まり始めます。

作曲家三枝成彰や、指揮者の大友直人らがこの作品を評価するようになりました。

大友は、2010年東京芸術劇場にて、『交響曲第1番 HIROSHIMA』の第一楽章と第3楽章を指揮、さらにパルテノン多摩で全曲録音を行い、CDとして発売されることになりました。

演奏

2012年11月に放送されたNHK「情報LIVE ただイマ!」において、佐村河内とこの作品が紹介されたことで、クラシックファンのみならず、広く一般にも知られることになり、「交響曲第1番“HIROSHIMA”」のCDに予約が殺到します。

すぐにインターネット通販大手「アマゾン」の音楽ソフト総合チャートで1位に急浮上してしまいました。

あまりの反響の大きさに驚いたNHKは、2013年3月31日NHKスペシャル「魂の旋律~音を失った作曲家~」を放送、人気番組「あさイチ」でも取り上げたため、人気が爆発、CD売上はクラシックでは異例の18万枚という大ヒットを記録しました。

その後も精力的に作品を発表、《ヴァイオリンのためのソナチネ嬰ハ短調》は、ソチオリンピック男子フィギュアスケート代表高橋大輔のショートプログラムで使用されるなど、高い注目を浴びています。

2014年2月5日早朝、佐村河内の代理人の弁護士により、10数年以上前から、佐村河内の作品として発表された多くの作品が、別人の作曲によるものであったことが発表されました。

これを受けてメディアとして、佐村河内を大きく取り上げてきたNHKは、この発表について、朝7時のニュースのトップで、3分にわたって報道しました。

代理人によれば、佐村河内が作品のイメージを協力者に伝え、それを元に作曲をするという手法をとっていたと言います。

協力者の側に、表に出づらい事情があったことで、両者の思惑が一致したことで、佐村河内の単独名で、作品が発表されることになったようです。

佐村河内はこのことについて、現在は深く反省していて、

「ファンを裏切って、関係者の皆様を失望させてしまったことで、大変ご迷惑をかけてしまったことを、お詫び申し上げます。」

とのコメントを発表しています。

佐村河内本人は、現在記者会見できるような精神状態ではないと説明されています。

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佐村河内のCDや、ネット配信をしている日本コロムビアは、すべての関連商品の出荷と、ネット配信を停止したと発表しました。

ソチオリンピック代表の高橋大輔選手は、ショートプログラムで使用予定の楽曲《ヴァイオリンのためのソナチネ嬰ハ短調》は、変更しないとしていますが、主催者に作曲者名の変更を届け出なければならないなどの対応も必要な状況です。

佐村河内を取り上げたNHKスペシャルの製作時には、佐村河内サイドから、作曲について協力者がいることを伝えられていたという情報もあり、NHKは製作担当者から事情を聞くなどの、調査を開始しています。

今回異例の早朝の発表になった背景には、佐村河内と実作者との間で、何らかのトラブルが発生して、実作者が、週刊文春を通じて、佐村河内を告発する準備にはいっているという事情があるからだと、ささやかれています。

トラブルの詳細は明らかにされ乳ませんが、こういう関係はいずれ破綻を見ることは避けられないのです。

現代のベートーヴェンと、もてはやされた佐村河内を利用して、数々のビジネスが行われており、これによって経済的な利益を得た関係者は、多数います。

この事件の最大の責任は、佐村河内にあることは当然ですが、彼の周りに群がって、ビジネスを展開した者たちにも、なにがしかの責任はあるはずです。

2月6日ゴーストライターとされる実作者が、記者会見を行うことが発表されています。

そこで何が嘘で、なにが真実なのかが、明らかにされると思われます。

感動の実話が、一瞬にして、偽りのフィクションになってしまった今回の事件、すべての事実が明らかになることを願うばかりです。

追記

2月5日夕、佐村河内のゴーストライターを18年にわたって努めていたとする作曲家・演奏家の新垣隆(にいがきたかし)が、マスコミ各社に次のようなFAXを送りました。

私は佐村河内守氏のゴーストライターを18年間にわたってやっておりました。 その件につきまして、皆さまの前でお詫び申し上げたいと思い、記者会見を開かせて いただきます

佐村河内は、最初の映画「秋桜」の音楽の制作時に、協力者に半分以上制作してもらったことで、ゴーストライターをつかうことに手を染めたと語ったそうです。

新垣隆のプロフィール

1970年生まれ。桐朋学園大学音楽部作曲家卒業。ピアノを故森安耀子、作曲を南聡、中川俊郎、三善晃の各氏に師事。現在、作曲・演奏の両面において幅広い活動を展開している。
現代音楽の分野において自作品の発表、国内外の現代作品の研究および演奏、アマチュア活動へのコミット(市民オーケストラの指導)等を精力的に行っている。
自身の音楽作品としてはアンサンブル・ジェネシスのための「セレナード」(BSハイビジョンにて放映)などがある。
桐朋学園大学音楽学部非常勤講師。
無声映画伴奏楽団「カラード・モノトーン」のメンバーであり、又ソロ演奏者としても活動弁士と共に公演を行っている。

2月6日の新村隆の会見の中で、衝撃の事実が告白されました。

佐村河内は、全聾ではなく、耳が聞こえるというのです。

佐村河内は、知り合った当初から現在まで、新垣が作った楽曲を、自分の耳で聞いて確認し、コメントしていたというのです。

現代のベートーヴェンとまでもてはやされた佐村河内の実像は、偽りの仮面に覆われていたのです。

18年間の代作で、新村が得た収入は750万円ほどで、この金額に不満はなかったと語りました。

最初は軽い気持ちで始めた代作でしたが、作品が評価されるにつれて、偽っていることの重大さにおびえるようになったと言います。

今回のソチ五輪で、高橋選手が自分の作品を使用することを知って、ことの重大さに告白すべきだと決断したようです。

佐村河内にこのことを告げると、それは絶対にダメだと反対されたと言います。

土下座をして懇願したり、もしそうなったら自殺するとまで言って、新垣の告白を止めようとしたそうです。

それでも新垣は、考えを変えずに、自らを「佐村河内の共犯者」として、謝罪会見に臨みました。

佐村河内の作品を、CDやインターネット配信していた日本コロムビアは、すでに制作してしまったCDなどの出荷を停止しています。

これに伴う損害について、佐村河内に賠償を請求することを検討しているとの情報もあります。

コンサートを企画している制作会社などもこれにならう可能性もあります。

新垣も、まさに共犯者とみなされて、賠償請求されるかもしれません。

佐村河内は、他人が作った作品を自らの作品と偽ったことで、詐欺罪に問われる可能性もあるでしょう。

体調不良を理由に、会見を行わない佐村河内ですが、1日でも早く会見を開いて、事実を説明すべきでしょう。

今日の会見で、新村の良心の呵責は、少し軽くなったかもしれませんが、このことの影響は、まだまだ広がっていくと思われます。

関連記事:佐村河内守、謝罪ではなく”逆ギレ会見”、新垣氏を提訴の意向を表明

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