水谷豊、俳優生活50年で「まだ本気出してない」私生活は天然らしい

子役として活躍しながら、一度は芸能界を離れた俳優の水谷豊。生活のためにやむなく復帰しました。「傷だらけの天使」、「熱中時代」、「相棒」と各年代に、3本の代表作を持つ稀有な俳優です。俳優生活50年を迎えた今でも、作品作りに賭ける情熱は、何も変わっていません。私生活では、かなりの天然なようです。

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父の会社が倒産して芸能界に復帰

俳優水谷豊、北海道芦別市出身、東京都立川市育ち、1952年7月14日生まれの64歳です。(2017年1月現在)

幼いころからテレビに出たいと思っていて、立川市立立川第一中学校在学中の13歳の時に劇団ひまわりに参加します。

14歳の時手塚治虫原作の、フジテレビ『バンパイヤ』のオーディションを受け合格、デビュー作で主演という、華々しいスタートを切りました。

その後私立大成高校(三鷹市)に進んでいます。

テレビドラマ、映画、舞台と経験しますが、しだいに「俳優を一生の仕事にすることはできない」と思うようになります。

自ら望んで入った芸能界でしたが、、どうしても違和感が拭えず、ついに事務所も辞めてしまいました。

高校卒業後、東京商船大学(現東京海洋大学海洋工学部)を受験しますが、不合格になり、浪人生活を送り始めます。

この時に、父親が勤めていた会社が倒産し、自らの生活費を稼がなくてはならない境遇に陥ってしまいました。

たまたまこの時期に、映画出演のオファーが来て、どうせ働くなら割の良い芸能界が良いと思い、アルバイトのつもりで、復帰します。

1969年にNTVのドラマ『炎の青春』に出演、1970年には岩下志麻主演の『その人は女教師』で映画デビューも果しました。

1972年には、NTV『太陽にほえろ』の第1回では、犯人役として出演しています。

故松田優作も、『太陽にほえろ』のレギュラーになる前に、犯人役として参加しており、この手法は、当時の石原プロが、若手俳優の発掘にしばしば使っていたものです。

1974年には、伝説のドラマ『傷だらけの天使』で萩原健一と共演し、若者のカリスマになりました。

この作品で共演した先輩俳優の故岸田森(樹木希林の元夫)に、

「豊には見ている人にその役が素だと思わせるような役者になってほしい。豊はそれが出来るやつだと思っている」

と助言をされ、その言葉を今も大切に思っています。

『傷だらけの天使』は、俳優水谷豊にとっての、最初の代表作になりました。

このころから、水谷の演技力は、高く評価されるようになり、1976年にはATG映画『青春の殺人者』でキネマ旬報賞主演男優賞を最年少で受賞するなど、若手実力派俳優としての地位を獲得しています。

1977年には「はーばーらいと」(作詞:松本隆、作曲:井上陽水)で歌手デビュー、「カリフォルニア・コネクション」(作詞:阿木燿子、作曲:平尾昌晃)を大ヒットさせました。

その後、NHK『男たちの旅路シリーズ』、TBS『赤い激流』などの人気ドラマに数多く出演しています。

『赤い激流』でのピアニスト役に際して、まったく経験のなかったピアノを、猛練習して、わずか4日間で『エリゼのために』を弾きこなし、ピアノの先生を驚かせました。

役柄を演じるのに、努力を惜しまない水谷の役者魂を表わすエピソードとして、良く知られています。

同世代の俳優、故松田優作とは、互いに認め合う親友で、「豊ちゃん」「優作ちゃん」と呼び合う仲で、やはり同世代の俳優中村雅俊とも30年来の付き合いです。

1978年に主演した、NTVのドラマ『熱中時代』では、熱血教師を好演して大ブレーク、子供から大人まで、幅広く支持されるスターになりました。

第1シリーズの第1回の視聴率は12.2%でしたが、最終回では40.0%を記録、第2シリーズでは、平均視聴率27.8%を記録しています。

熱中時代は、水谷にとって30代での代表作になったのです。

1982年には、『熱中時代』で共演したミッキー・マッケンジーと結婚しますが、1986年離婚しています。

離婚理由は、性格の不一致と発表されていますが、ミッキーがアメリカに戻りたくなったのが原因だという説もあるようです。

離婚後ミッキーはアメリカに帰国、プロゴルファーに転身しています。

水谷は、1989年に、人気アイドルグループ『キャンディーズ』から女優に転身した、3歳年下の伊藤蘭と再婚しました。

水谷と伊藤は、NTVのドラマ『あんちゃん』(1982年)で、兄妹として初共演、翌年も水谷の指名で『事件記者チャボ!』で再び共演しています。

その後も、数々の作品に主演しますが、新聞記者、探偵、刑事などの役柄が多くなって行きました。

相棒の誕生から現在まで

テレビ朝日の土曜ワイド劇場でシリーズ化されていた水谷主演の探偵事務所が終了、同じ枠の寺脇康文主演の『京都お見合いツアー殺人事件』シリーズの打ち切りが重なったことと、両番組のプロデューサーが、同じ松本基弘だったこと、寺脇が水谷の大ファンであったことから、2人が共演する企画を立ち上げることになりました。

チーフ脚本家の輿水泰弘、演出に和泉聖治を配して「相棒」の制作を開始、2000年6月から2001年10月までに、土曜ワイド劇場枠で『相棒・警視庁ふたりだけの特命係』として3回放送されました。

第1話が17.7%、第2話22.0%、第3話17.4%と、高視聴率を獲得したことで、異例の連続ドラマ化が決定します。

2002年10月から相棒season1がスタート、season5(2006年10月~2007年3月)からは平均視聴率は15%を超えるテレビ朝日のドル箱番組になっています。

season9(20010年10月~2011年3月)では、平均視聴率が20%を超えました。

同時に相棒は、俳優水谷豊の、40代から50代の代表作になったのです。

ドラマの人気上昇とは裏腹に、水谷と寺脇の仲は、ギクシャクしていきました。

元々『相棒』は、水谷豊単独主演というよりは、水谷・寺脇のW主演という側面も持っていました。

開始当初は、毎話毎に撮影に入る前、脚本について、プロデューサー、監督ら主要スタッフと、メインキャストの水谷、寺脇を交えて、打ち合わせをするのが恒例でした。

作品作りに全身全霊を賭ける水谷は、当初から脚本や演出に注文を出していました。

寺脇も自分なりの意見を伝えて行きましたが、次第に水谷の主演色が強まっていくことに不満を抱くようになったのです。

寺脇は、スタッフに不満を漏らすようになり、それに手を焼くスタッフとの関係がこじれ始めます。

season5ぐらいからは、寺脇の意見はほとんど無視されるようになりました。

このことで、現場の雰囲気も悪くなり始め、次第に水谷も苛立っていきます。

そしてとうとう、season6での事前打ち合わせで、制作サイドの演出プランに異を唱えた水谷に、寺脇があからさまに反対するという事件が起こってしまいました。

直後に水谷は、寺脇の交代を要求してしまいます。

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水谷の役者としてのポリシーの一つに、『良い顰蹙は買うもの』があります。

良い作品を作るためのわがままは、言うべきだと言うのです。

そのために顰蹙を買うのは気にしないと言うことです。

水谷には、寺脇のこの時の主張が、良い作品作りのためではなく、自分が目立ちたいためのわがままとして、映ったようです。

事前打ち合わせも行われなくなり、寺脇の降板は既定路線となってしまいました。

season7の第9話『レベル4 後篇・薫最後の事件』をもって、亀山薫役の寺脇康文は降板しました。

薫ちゃんの妻、美和子役の鈴木砂羽も、とばっちりを受けて降板を余議なくされています。

寺脇にとっては、極めて不本意な降板で、その後も『相棒』との確執は、解決していません。

主要キャストの一人で、迷コンビだった芹沢刑事役の川原和久と寺脇は、公私ともに仲良くしていましたが、川原と女優松本紀保(松本幸四郎の長女)との結婚披露宴には、水谷夫妻が媒酌人であったため出席できず、ビデオメッセージを送るだけという寂しいものになりました。

season7の最終話からは、2代目”相棒”として、歌手で俳優の及川光博が出演しています。

当初の予定では、season11までは、及川の出演が決定していました

視聴率は、依然として好調を維持して、season9では、平均視聴率が20%を超えるという快挙を達成しました。

及川は、この番組のスペシャル番組で共演した壇れいと、2011年7月に、結婚しています。

ところが入籍から、わずか2カ月で、及川に浮気スキャンダルが起きてしまいます。

及川と壇の結婚を祝福していた水谷が、これに激怒しました。

さらに相棒season10の記者発表で、記者からの質問が及川の浮気騒動に集中してしまったことで、水谷の怒りは頂点に達し、及川の降板が決定してしまいます。

急きょ3代目の”相棒”探しが始まりますが、キャスティングの決定権を持つ、水谷の眼鏡に叶う人材は、なかなか見つかりませんでした。

最終的には、俳優としての実績はあまりない、成宮寛貴に決定しました。

水商売の経験もある、苦労人の成宮は、常に水谷を立てることを心がけたので、すぐに気に入られました。

今までで一番やりやすい相棒とまで、言わせています。

関連記事:成宮寛貴、2丁目の美少年から相棒へ、生い立ちをカミングアウト

現在season15の放送中ですが、ドラマ全体の視聴率が低迷する中で、夕方の再放送も含めて、”相棒”は大健闘しています。

創立以来初めて視聴率2冠(2012年度)を達成したテレビ朝日への貢献度は、はかり知れません。

番組制作への影響力も大きくなり、水谷天皇と揶揄されることもあります。

しかし、いつでもこれが最後の作品と思い定め、その番組に全身全霊を賭ける水谷が、自分にたいしても、スタッフやキャストに対しても、厳しくなるのはやむを無い事なのです。

水谷自身は、俳優としての姿勢は20代から変えておらず、若い時には先輩のスタッフやキャストに、思いをぶつけて、生意気だと言われ続けてきた過去があるのです。

『この仕事が最後になってもいい』とつねに覚悟を決めて、作品に取り組んでいるのです。

俳優生活50年を経てもこの姿勢を貫いているために、スタッフやキャストのほとんどが年下になってしまった今、水谷天皇などと揶揄されてしまいます。

2008年には音楽活動も再開、ドラマでは、『地方記者・立花陽介』や『探偵 左文字進』、時代劇の『だましゑ歌麿』がシリーズ化されています。

映画では、2012年に『HOME 愛しの座敷わらし』に単独主演、還暦を迎えた、2013年には妻の伊藤蘭と『少年H』で30年ぶりの共演を果たしています。

一度は絶縁した及川とは、その後和解し、2014年4月公開予定の、『相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』では、冒頭のみですが、出演しています。

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水谷豊の天然伝説

仕事に全力で集中する反動で、プライベートでは、失敗が多いと自らも語っています。

寝ながらくしゃみをして肋骨を痛めたり、2009年1月28日には自宅のドアにぶつかって顔に7,8針を縫う怪我をしたこともあります。

極度の方向音痴であることもカミングアウトしており、劇場やスタジオで迷子になるのは、日常茶飯事です。

転居後半年もたって、前の自宅まで帰ってしまったこともあります。

食事は1日1食が基本です。

朝食は摂らず、コーヒーを飲む程度、昼食も小さなカップスープなどで済ませています。

そのため、毎日の夕食が楽しみで、本人いわく『夜は、野生に還る』のだそうです。

フレンチのフルコースを食べた後で、ラーメン・チャーハン・餃子を食べたりすることもあると語っています。

しかしアルコールはNGです。

朝食や昼食を抜くのは、仕事の現場での緊張感を保つためと言っています。

とんねるずの石橋貴明は、昔から水谷の熱狂的なファンとして知られていて、先輩に対する礼節に厳しい水谷の前では、常に敬語を用い、いつもの傍若無人の石橋とは別人のような様子を見せます。

木梨憲武は、水谷の妻の伊藤蘭の大ファンで、家族ぐるみの付き合いをしています。

妻の伊藤蘭とは、今でもラブラブで、「蘭さん」「豊さん」と呼び合っています。

2人の間にはひとり娘”趣里”がいて、女優として活動をしています。

しかし、ビジュアルにも、演技力にも恵まれているとは言えないようです。

趣里は、2011年に伊藤蘭と舞台『血の婚礼』(蜷川幸雄演出)で共演した俳優田島優成(26才)と知り合い、意気投合します。

 

怪我で、夢であったバレリーナへの道を閉ざされて落ち込んでいた趣里に、女優という新たな道を提示してくれたのが田島でした。

2012年7月、両親から自立したいと、実家の超高級マンションを出て、一人暮らしを始めました。

そこに田島が転がり込んで、同棲生活が始まってしまったのです。

水谷は、このことを苦々しく思っていましたが、娘を立ち直らせてくれた田島への恩義を感じ、妻の伊藤蘭とともに、しぶしぶ認めることになりました。

ところが、2013年2013年4月21日、田島が、主演する舞台『効率学のススメ』で、時間の勘違いで寝坊し、公演が中止となってしまいました。

その責任を取る形で5月8日のブログで、当面の間、芸能活動を自粛し、さらに5月末で事務所を退社する騒ぎになったのです。

同棲していた趣里に類が及ぶことを恐れた水谷は、すぐに娘を実家に連れ戻しました。

趣里は、その後も細々と女優業を続けていますが、田島はいまだに芸能活動を再開していません。

撮影現場では、天皇とも呼ばれ、全能である水谷も、可愛い娘の前では、無力な父親なのでしょう。

20代、30代、50代、それぞれの年代に代表作を持ち、俳優生活50年を迎える、俳優水谷豊は『まだ、本気出してない』と言います。

毎年の年末には、来年こそ『本気出してやる』と言って過ごすのだそうです。

かつて喜劇王チャールズチャップリンが、『あなたの代表作は?』と尋ねられて、『NEXT!(次回作)』と答えたのと同じかも知れません。

61歳になった今も、やりたい役柄や作品は無数にあると語っています。

そして来年こそは、俳優水谷豊の”本気”が見られるかも知れません。

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