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AKSがAKBグループのマネジメントから全面撤退~新規株式公開が頓挫して社名変更、新会社”Vernalossom(ヴァーナロッサム)”の狙いと吉成夏子社長の野望の行方~

アイドル


NGT48騒動で多くの批判を浴びた株式会社AKS(吉成夏子社長)は、AKB48、HKT48、NGT48のマネジメント業務をそれぞれ別会社化し、AKS本体は”Vernalossom(ヴァーナロッサム)”に社名変更して新規事業をメインとする新体制となることを発表した。

吉成夏子氏は、老舗ゲーム会社サクセスの社長吉成隆杜氏の娘で、AKSの親会社になった京楽産業の会長秘書からAKSに出向、2014年1月からAKSの創業者の一人である窪田康志氏と共同代表となった。

同年6月窪田康志氏が退任、吉成氏がAKSの株式の100%を取得し、単独の代表取締役社長になったのである。

AKSは、2019年7月1日に新たなコーポレートサイトを立ち上げ、吉成夏子社長名でのメッセージを掲載してグループの運営・管理においてコーポレート・ガバナンスが欠如していたことの反省と運営・管理体制の改善を表明していた。

ところが、その後の対応においても、NGT騒動の被害者である山口真帆へのネガキャンを続けたため、各方面から批判を受けていた。

元々エンタメ業界とはそれほど関係が深くなかったBダッシュベンチャーズ(代表取締役社長渡辺洋行)がNGT48の支援に乗り出したのは、NGT48の新運営会社Flora”の社長となった岡田剛氏の懇願に応えたものであり、渡辺氏が吉成氏の運営手法に批判的であったこともその一因だとされている。

AKSはこれまでに、NMB48を吉本興業グループに、SKE48をKeyHolderグループにすでに売却しているので、今回の組織変更によって、AKSは国内の全てのAKBグループのマネジメント業務から撤退することになる。

これによって、”Vernalossom(ヴァーナロッサム)”が管理・運営を行うのは、JKT48やBNK48などの海外9グループと日本でのIZ*ONEの運営のみとなった。

(注1)2021年4月29日、iZ*ONEが活動を終了したことに伴い同グループの運営を終了した。
これに伴って所属タレントであった宮脇咲良とのマネジメント契約も解除となった。
2023年1月31日をもって元IZ*ONEメンバーだった矢吹奈子のマネジメントを契約満了のため解除したことを発表、これにより”Vernalossom(ヴァーナロッサム)”所属のタレントは元AKB48の下尾みうとMNL48のエースSheki(シェキ)の2人となった。

(注2)2023年1月現在、”Vernalossomが運営・管理しているのは以下の海外6グループのみ
JKT48(IDN Media / JKT48 Operation Team〈Indonesia Musik Nusantara〉)
BNK48(Independent Artists Management)
MNL48(Hallo Hallo Entertainment)
AKB48 Team SH(上海尚越文化发展)
AKB48 Team TP(好言娯樂)
CGM48(Independent Artists Management)

(注3)STU48は発足時から瀬戸内沿岸7県の広域観光を推進する官民組織”せとうちDMO”グループの瀬戸内ブランドコーポレーションが筆頭株主である株式会社STUがマネジメントを行っている。

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AKS組織変更の狙いは

NGT48騒動でバッシングの嵐にさらされたAKSは、外部の人材によるアドバイザリーボードを導入するなど、経営の見直しを図ってきた。

さらに独立系ベンチャーキャピタル(VC)のBダッシュベンチャーズ(代表取締役社長渡辺洋行)から出資を受け、AKSは5年以内の新規株式公開(IPO)を目指すと宣言していた。

ところがNGT騒動は一向に収束する気配がなく、危機管理のノウハウもなく、人材にも乏しいAKSは有効な改善策を打ち出すことができずにいた。

そんな中でAKSが最終的に決断した対策が今回の組織変更だ。

現場を熟知した有能な人材が一定数必要であるアイドルグループのマネジメントや危機管理という厄介な業務はすべてアウトソーシングして、その上がりの一部を”Vernalossom(ヴァーナロッサム)”が吸い上げるというのが狙いだ。

元々AKBグループはその巨大な売り上げにまつわる利権を分配することで、アメーバのように増殖してきた企業グループである。

AKBビジネスは、一部のファンからは”オワコン”などとディスられているが、現在でも500人以上のメンバーを抱え、年間百億以上を売り上げるビッグビジネスであり続けている。

膨大な人数の大人たちが、500人の少女たちの夢をお金に変えているのである。

今回の組織変更はまさに”先祖返り”のようなもので、AKSは完全な利権会社に戻ったと言える。

今後AKB48を運営する(株)DHの新社長となる内村和樹や、HKT48を運営する株式会社”Mercury”の新社長・前田治昌はAKSの執行役員であり、同じくNGT48を運営する株式会社”Flora”の新社長・岡田剛もAKSの幹部社員である。

AKS=”Vernalossom(ヴァーナロッサム)”とAKB48の各グループとの関係は維持されたままなのだ。

(注4)
2020年5月27日、(株)Mercury”と(株)Flora”は、LINE(株)・(株)セプテーニ・ホールディングス・(株)ピアラの支援を受ける形で3社が出資する(株)Sproot(本社:東京都港区、代表取締役:渡邊洋行)という持ち株会社の傘下に入ることとなった。

AKSの野望であった、5年以内の新規株式公開はいったん白紙になったが、新会社”Vernalossom(ヴァーナロッサム)”の代表取締役にはAKSの現社長吉成夏子氏が横滑りして、再度その野望に挑戦することになる。

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今後のAKB・HKT・NGTのマネジメントはどうなるのか?

AKBの新社長内村和樹氏は、AKB48発足時から衣装やヘアメイク・スタイリストなどを担当してきたオサレカンパニーの代表でもあり、秋元康総合プロデューサーとの関係も良好である。

HKTの新社長前田治昌氏は、かつてエイベックスミュージッククリエイティブのデジタルマーケティング本部長を歴任している。

両社共に現在の路線を踏襲することで特に問題はないだろう。

しかしNGT48だけは相変わらず問題が山積している。

現在のNGT48の現場責任者は早川麻衣子支配人で、新会社の社長となる岡田剛氏は現在副支配人である。

早川氏がNGT48の支配人を続けることになれば、早川氏と新社長岡田氏の地位は逆転してしまうことになる。

東大卒で電通出身であるプライドの塊のような早川氏がこれに納得するとも思えない。

早川氏の処遇も注目されるところだ。

(注5)
早川麻衣子氏は2020年3月1日付けでNGT48劇場支配人を退任、2022年1月17日芸能事務所Orb Promotionを設立し代表に就任。2022年5月には、STU48の甲斐心愛が所属タレント第一号となった。

京楽産業の会長秘書からAKS社長へ華麗に転身した吉成夏子氏の野望は果てしない。

果たして新会社”Vernalossom(ヴァーナロッサム)”の行方は?

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