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アイドルバラエティのMCにお笑い芸人が起用され続ける理由・その2~共に成長したバナナマンと乃木坂46、土田晃之・澤部佑と欅坂46の不幸な出会い~

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アイドルバラエティ番組のMCにお笑い芸人が起用され続ける理由の第2回。

本稿では、バナナマンと乃木坂46との出会いから現在までと、欅って書けない?のMCが失敗した理由について考察した。

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バナナマンと乃木坂46、それぞれの分野で成長して共に頂点に立ったWinWinの関係~乃木坂46の世代交代に合わせてMCの交代も考える時期に~

乃木坂46初の冠番組のMCに起用されたのはバナナマン

乃木坂46の公式お兄ちゃんを標榜する人気お笑い芸人バナナマン。

バナナマンと乃木坂46の最初の出会いは2011年秋まで遡る。

2011年8月に結成された乃木坂46、2か月後の10月には初の冠番組”乃木坂ってどこ?”が始まる。

そのMCに起用されたのが当時売り出し中のお笑い芸人ユニットバナナマンであった。

▼乃木坂ってどこ第1回に出演したバナナマン

バナナマンは1993年に結成されていて、芸歴はかなり古い。

デビューからしばらくは売れない時期が長く続き、”売れない芸人仲間”であるバカリズム(90年代後半に日村の部屋に居候していた)と3人でテレビを見ながら、先に売れてテレビ番組に出演している芸人の悪口を言って溜まった鬱憤をはらすような毎日を送っていた。

当時お笑い界は”ボキャブラ”ブームの真っただ中で、ボキャブラ天国に出演していないバナナマンやバカリズムは、実力はあっても、まったく人気に火が点かなかった。

それぞれ単独ライブ(人気者になった現在でも続けている)だけが活動の拠り所だった。

2003年に内村プロデュースからオファーを受けてテレビ番組に出演し始めたことで、潮目が変わり始める。

バナナマンのどんな仕事にも真摯に取り組む姿勢が次第に評価されていき、2008年のキングオブコントで準優勝したことで仕事が増え、ようやく人気芸人の仲間入りを果たす。

いわゆる吉本系のベタなお笑いとは一線を画す、演劇的な漫才やコントを売りにしていたバナナマン。

従来のお笑い芸人とは一味違う、都会的なテイストを漂わせた芸風がバナナマンの持ち味であった。

そんなバナナマンの芸風が、AKB48と違うカラーを目指す乃木坂46初の冠番組のMCとしてふさわしいと秋元康総合プロデューサーは判断したのである。

”乃木坂ってどこ?の放送が始まった時、すでに設楽統38歳、日村勇紀39歳であった。

記念すべき”乃木坂ってどこ?”の第1回目放送には、MCのバナナマンと15人の乃木坂46メンバー、そしてゲストとしてアンガールズが出演している。

乃木坂46の1期生としてデビューした33名の中で、”乃木坂ってどこ?”の第1回の放送に出演することができたメンバーは暫定選抜メンバーに選ばれた白石麻衣や、生駒里奈らわずか15人のみだったのだ。

AKB48のような常設劇場を持たない乃木坂46のメンバーにとって、地上波のテレビ番組”乃木坂ってどこ?”に出演できるかどうかは新たなファンを獲得する上でとても大きな要素であった。

第1回の放送から、乃木坂メンバーたちは厳しい競争にさらされていたのである。

こうしてまったく無名で、素人同然であった乃木坂46メンバー一人一人の成長を、バナナマンは”乃木坂ってどこ?”という番組を通して、まさに家族のように見守り続けていくことになる。

乃木坂46は2012年2月にデビューシングル”ぐるぐるカーテン”をリリース、新人アイドルグループとしては異例の20万枚超を売り上げた。

その後、表題シングル曲の選抜メンバーはその都度”乃木坂ってどこ?”の中で発表され、悲喜こもごものメンバーの様子が”乃木坂ってどこ?”の放送を通じて、ファンに伝えられていった。

乃木坂メンバーにとって選抜メンバーに選ばれるかどうかは、それぞれのアイドル人生の将来を左右する大きな出来事で、毎回それに立ち会うバナナマンも毎回複雑な想いを抱かされていた。

初めて選抜メンバーに選ばれたメンバーや、福神(=表題シングルの1列目と2列目)に選ばれたメンバーらを祝福し、選ばれなかったメンバーに対しては優しさに満ちたまなざしとコメントを贈り続けたことで、バナナマンはメンバーから絶大な信頼を勝ち取ることとなっていく。

一方でバナナマン自身の人気も右肩上がりに上昇していき、設楽統は、都会的なスマートさと絶妙なバランス感覚を買われて、フジテレビの朝のワイドショー”ノンストップ!”のメインMCに起用され、まさに一流芸人の仲間入りを果たした。

相方の日村勇紀も、歌やダンスなどの多彩な才能を開花させ、ピンでの出演オファーも増え、お笑い芸人として独特なポジションを獲得していく。

古くから”コンビ芸人は仲が悪い”というのがお笑い界の不文律だが、バナナマンはその常識を覆す仲の良さを誇っている。

このことについて設楽は、”ライバル芸人と戦わなくちゃならないのに、コンビ同士で戦っている暇はない。”と語っている。

テレビというメディアは正直である。

いくら取り繕っても出演者の素の姿が透けて見えてしまう。

好感度が低いタレントやお笑い芸人はやがて淘汰されていく。

コンビ仲が良いバナナマンサンドイッチマンといった好感度が高い芸人が生き残っていくのが昨今のお笑い界の風潮である。

アイドルグループとして右肩あがりに人気を得て、ミリオンセールスを連発するまでになった乃木坂46。

お笑い界で人気の頂点を極めたバナナマン。

両者は、お互いに成長を続けながら、現在でも極めて良好な関係を保ち続けている。

”乃木坂ってどこ?”の最終回(2015年4月13日放送)では、番組終了を知らされたメンバー全員が涙を流し、バナナマンとの別れを悲しんだ。

ところがその発表がドッキリで、途切れることなく翌週から”乃木坂工事中”に衣替えしてバナナマンのMCも継続することがわかる。

普段ほとんど泣かないクールキャラの橋本奈々未までが大泣きし、バナナマンからそのことをからかわれて、鼻をすすりながら”だってわたしバナナマンさん大好きなんだもん‥‥”と答えたシーンは乃木坂ってどこの名シーンとしてファンに語り継がれている。

実はこの時期の番組リニューアルについて、バナナマンの所属事務所は番組からのMC継続のオファーをスケジュールがとれないことを理由に一旦は断っていた。

ところがそれを知ったバナナマン自身が、「乃木坂46は妹みたいなものだから、ずっと見守ってあげたい」とマネージャーを通じて継続を事務所に申し出たという。

それについて秋元康総合プロデューサーは、SNSで”設楽くん、日村くん、ありがとう。バナナマン、最高”ととバナナマンの二人に感謝の言葉を述べている。

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1期生が偉大過ぎて世代交代が進まない乃木坂46の危機

すでに4期生まで加入している乃木坂46だが、偉大過ぎる1期生の存在が邪魔をして、世代交代が一向に進まないのが現状である。

バナナマンと乃木坂46の付き合いも9年を超え、1期生の中心メンバーも随分と卒業してしまった。

これまで乃木坂を引っ張ってきた白石麻衣も25thシングルをもって卒業することを表明した。

”乃木坂46の公式お兄ちゃん”を標榜するバナナマンも設楽統46歳、日村勇紀47歳となり、乃木坂3期生や4期生から見ればお父さんという感覚であろう。

ここまで幸せな関係を続けてきた乃木坂46とバナナマンだが、何事にも永遠はない。

バナナマンが”乃木坂46の公式お兄ちゃん”の座を次の世代に引き継ぐ時期は確実に近づいている。

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欅坂46と土田晃之・澤部佑との不幸な出会い

指原莉乃と同じ体験を欅坂メンバーにさせようと考えた秋元康総合プロデューサー

テレビ東京の日曜深夜に、3つ連続して放送されている坂道3グループの冠番組。

深夜24時から”乃木坂工事中”、24時35分からは”欅って書けない?”、25時05分からは”日向坂で会いましょう”という順番である。

この3番組の中で、最も問題を抱えているのが欅坂46の冠番組”欅って書けない?”だ。


乃木坂46と同じく、デビューシングルの発売前に、欅坂46初の冠番組である”欅って書けない?”(2015年10月5日放送開始)が始まっている。

MCに起用されたのは人気お笑い芸人土田晃之と澤部佑の二人。

土田は、”さしこのくせに”や”AKB調べ”、”僕らが考える夜”などで指原莉乃との多くの共演歴がある芸人である。

土田は”さしこのくせに”で指原を徹底的に追い込んで、指原のテレビタレントとしての才能を覚醒させた実績を持っている。

指原は、土田をバラエティ番組における師匠であり、自分を育ててくれた恩人だと考えている。

秋元康総合プロデューサーも土田の才能を買っていた。

秋元氏は、”欅って書けない?”のMCに土田を起用して、欅坂46のメンバーにも指原と同じ経験をさせたかったのだろう。

一方の澤部に期待したのは、番組の廻し役である。

あたりが柔かい澤部佑と強めのイジリが持ち味の土田晃之。

今考えてもこの選択は間違ってはいないように思えるのだが、現実は意外な方向に転がっていく。

それも想像以上に悪い方向にである。

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お葬式状態に陥ってしまった”欅って書けない?”の収録現場、お笑い芸人から屈辱の共演NGをつきつけられてしまった欅坂46

最初のきっかけを作ったのは、思慮が足りない番組制作スタッフの発言である。

成功した先行番組”乃木坂工事中”に早く追いつきたいと焦った”欅って書けない?”のスタッフが、収録現場でほとんど発言しない(できない)欅坂メンバーたちを叱責したのだ。

もっと積極的に発言しろ!

後に秋元が語っているが、欅坂46の1期生メンバーには極度の人見知りが多くいて、オーディションでは、平手友梨奈を筆頭に大人たちをにらみつけるような暗い目をしていた。

まだデビュー前で、素人同然である欅坂メンバーはその叱責を真正面から受け止め、メンバー同士で相談をする。

そうして次の収録に臨み、多くのメンバーが清水の舞台から飛び降りる想いで発言した。

ところが今度は、”楽屋のノリを番組に持ち込むな!”と言われてしまったのである。

当時のことを小池美波は、”そう言われて、私たちはもうどうしていいかわからなくなってしまい欅って書けない?の収録は恐怖でしかなくなってしまいました。”と述懐している。

一方で、欅坂46のデビューシングルとして秋元康総合プロデューサーが書きおろした”サイレントマジョリティ”という楽曲は、従来のアイドル曲とはかなり違ったテイストの曲で、乃木坂46に憧れを抱いて欅坂に参加したメンバーにとっては予想外のものであった。

この曲は、秋元康総合プロデューサーが平手友梨奈にインスパイアされて書きあげた楽曲であり、センターに指名された平手友梨奈はすぐにこの楽曲の主人公に共感して、その表現にのめり込んでいく。

一方で多くのメンバーは従来のアイドル楽曲らしくないこの曲に戸惑っていた。

そして、平手とそれ以外のメンバーの温度差がグループに微妙な空気をもたらしてしまう。

さらに裏口入学のようにグループに加入した長濱ねるの問題。

これらが重なって、デビュー当時から欅坂46の内部には微妙な空気が流れていた。

2016年3月6日、デビューシングル”サイレントマジョリティ”のミュージックビデオが公開されると、その反響はすさまじく、欅坂46のメンバーたちはその激流の中に放り込まれてしまう。

センター平手友梨奈の圧倒的な表現力とカリスマ性、それはアイドルの枠を飛び越えて社会現象にまでなっていった。

運営の戦略はまんまと成功したのだが、平手友梨奈はますます表現の追求にのめり込み、メンバーの戸惑いとの温度差は広がる一方であった。

そんな空気は”欅って書けない?”の収録現場にも伝染してしまう。

従来のアイドル番組のテンションで番組に積極的にかかわろうとするメンバーを、グループ内で比較的に発言力が大きかったメンバーである志田愛佳らが、”あいつ、やってんなあ”と冷めた目で批判する。

それに脅えてしまったメンバーは、収録中に目立つことを避けるようになっていく。

制作スタッフが要求するアンケートにもまともに答えない。

そんな状況が続く中で、収録現場のテンションは下がる一方になり、いつしか”欅って書けない?”のスタジオは”お葬式状態”であると言われるまでの惨状となってしまったのである。

さしものベテラン芸人である土田晃之も澤部佑も、欅坂46のメンバーとどう接して、収録でどんな風に扱えばいいのかがわからなくなってしまう。

このころ欅坂メンバーは初めての連続ドラマ”誰が徳山大五郎を殺したか?”出演に向けて、演技のワークショップにも参加させられていたのだが、元々人見知りが激しいメンバーが多かったこともあって、ワークショップの現場もスタッフからの叱責が飛び交う修羅場と化していた。

そんな状態にもお構いなく、メンバーはドラマの収録へと駆り立てられていったのである。

メンバーにとっては”欅って書けない?”の収録現場も、グループ初の連続ドラマ”徳山大五郎を誰が殺したか?”のスタジオ収録現場も苦行でしかなかった。

さらに悪いことに、ドラマの収録に入ってから、グループ全体を背負わされた平手友梨奈が、しばしば心と身体のバランスを崩すようになってしまう。

平手友梨奈がいなければライブもできない。

いつしか腫物に触るように平手を扱い始めたスタッフは、”欅って書けない?”の収録から平手友梨奈を外してしまったのである。

絶対的なエースが出演しないアイドルグループの冠番組。

そんなありえない状況が生まれ、それについてファンに対しても何の説明もされない異常な状況が続いていく。

”欅って書けない?”の惨状は、業界内でも広く知られるところとなり、MCの土田や澤部のスキルを問題視する声も聞こえ始めた。

土田の芸風は基本強めのイジリであり、冷静なツッコミが持ち味である。

メンタルが強い指原莉乃にはこの芸風がピタリとはまり、土田と指原の間には、師弟関係のような信頼関係が生れた。

しかし、スタッフの暴言ですっかり委縮してしまうほど弱いメンタルの欅坂メンバーに土田の芸風はまったくはまらなかった。

それでも沈み切った収録現場をなんとしても立て直したい土田は2019年初の放送の中で、積極的に発言したメンバーに、用意したお年玉袋をご褒美として渡すという、まったく土田らしくない行動まで起こす。


これは見ていて痛々しくなる風景で、お年玉を貰う時だけ笑顔になる欅坂メンバーには、そんな土田の努力も響かなかった。

この惨状の原因の大半は欅坂メンバーにあることが分かっているので、スタッフは土田と澤部を番組MCから外す決断ができない。

有り体に言ってしまえば、代わりにこの番組のMCを引受けてくれる芸人の当てがないから二人を起用し続けているのだ。

この番組にゲスト出演した平成ノブシコブシの吉村崇は、2019年8月16日放送の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)で、唯一の“共演NG”タレントとして欅坂46の名前を挙げた。

お笑い芸人が、現役アイドルグループを共演NGとして名指しするなど前代未聞である。

普通ならば、アイドルの事務所が芸人の所属事務所に対して厳重抗議する案件である。

だが吉村の指摘が正しいことは、業界の誰もがわかっているのが現実なのだ。

吉村サイドに抗議するどころか、吉村にすり寄って、共演NGを撤回してもらうロケを行う有様であった。

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土田晃之と澤部佑のコンビは失敗だった?

これまで欅坂メンバーの問題ばかり指摘してきたが、MCサイドにまったく問題がなかったわけではない。

土田と澤部にも問題があった。

澤部が番組の進行を担当して、土田が要所でツッコむのが番組の基本スタイルである。

土田の芸風は、冷静なツッコミである。

相手を観察して、少し突き放した冷静な言葉でツッコむのだ。

だから素人イジリはそれほど得意ではない。

相手との距離感を詰めるのが下手なのである。

土田の突き放し気味のツッコミにも、心折れずに食らい付いてくるメンタルの強さがあれば良い関係が築けるのだが、あいにく欅坂メンバーにはそういうタイプはほとんどいない。

強いてあげれば、叱られて伸びるタイプと自認している菅井友香と、体育会系体質の”軍曹”守屋茜ぐらいだろう。

土田もそれをわかっていて、番組が一向に盛り上がらないのを気にして、メンバーにすり寄るような素振りも見せるのだが、元々の芸風ではないので、痛痛しく見えてしまう。

土田は、当時の欅坂メンバーについて、雑誌のインタビューでこう語っている。
”過去いろんなアイドルと共演してきましたけど欅坂46は衝撃的に喋らない(笑)”
(Quick Japan vol.135『特集 欅坂46【インタビュー】より)

土田と人見知りアイドル欅坂46との相性は相当悪い。

もう一人のMC、番組の進行を任されている澤部佑。

澤部は、土田より素人イジリは上手である。

だが土田より芸歴が浅い澤部は、土田に遠慮する場面が多い。

メンバーより土田を気にしていることが見えてしまう。

土田を気遣って、そのツッコミを活かそうとするのだが、メンバーのリアクションが薄すぎて広げられないということが多い。

澤部が番組を廻すのであれば元々の相方である岩井を起用すべきだったのだ。

岩井のツッコミも、土田同様に毒舌気味ではあるのだが、ツッコまれた相手が反撃できる”隙”がある。

メンバーが失敗しても、挽回のチャンスが多い分、メンバーが学ぶ機会も多くなったはずである。

土田と澤部という組み合わせは、結果論ではあるが”失敗”だったのだ。

アイドルとしてのポテンシャルが高い欅坂2期生を梃子にして番組の立て直しを図るスタッフ、平手友梨奈の脱退をチャンスとして、番組もMCも一新すべき


2018年12月、坂道合同オーディション合格者の中からアイドルとしてのポテンシャルが高い9名が欅坂46の2期生として加入する。

AKB・坂道グループでは、総じて1期生のレベルが高い。

乃木坂46の世代交代がなかなか進まないのはこれが最大の理由である。

ところが欅坂46だけはこの法則が当てはまらない。

平手友梨奈は別格として、ビジュアルやパフォーマンススキルの平均値は、明らかに1期生より2期生の方が高い。

2018年末の音楽特番には、加入したばかりの2期生から松田里奈、森田ひかる、田村保乃の3人が参加して、1期生となんら遜色がないパフォーマンスを見せてファンを驚かせた。

欅って書けない?のスタジオでも2期生のみの収録は、これまでとは明らかに違うテンションで進み、アイドルバラエティとして十分成立するクオリティで収録が進んだ。

ところが、1期生が混ざると2期生が遠慮してしまい、元の木阿弥に戻ってしまう。

そんなことが現在でも虚しく繰り返されている。

欅坂46の運営は、9thシングルから選抜制を導入することを宣言して、2019年9月に初の選抜メンバー17人を発表した。

ところが9thシングルの発売は、理由の説明もないまま延期を繰り返してしまう。

運営はそのことについてファンになんの説明もしていない。

そして年が明けて3週間ほどたった2020年1月23日、欅坂46の公式HPが、絶対的センターであった平手友梨奈の脱退と織田奈那・鈴本美愉の卒業、佐藤詩織の活動休止を発表する。

次の標題曲のセンターとして発表されたメンバーが突然グループを離脱するなど聞いたことがない。

前代未聞の不祥事と言ってよい。

一般企業なら責任者の首が飛んでもおかしくない事態である。

欅坂46は、最早体裁を取り繕うこともできないくらい内部崩壊が進んでいたのだ。

平手友梨奈の脱退は、内外に衝撃をもたらしたが、”欅って書けない?”のMC土田晃之は、”数カ月前から、こうなると思っていた”と自身のラジオ番組でまるで他人事のようにコメントしている。

平手友梨奈の脱退によるビジネス上の痛手は測りしれないところだが、残ったメンバーにとっては、グループを正常な状態に戻すビッグチャンスにもなり得る。

不幸な出会い方をしてしまった欅坂46と土田晃之と澤部佑。

筆者はこれを機会に土田と澤部には身を退いてもらい、第七世代芸人と呼ばれている四千頭身や霜降り明星といった若手をMCに起用して、番組を一新して新たな冠番組を始めるべきだと思うのだ。

アイドルバラエティのMCにお笑い芸人が起用され続ける理由・その3に続く

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