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アイドルバラエティのMCにお笑い芸人が起用され続ける理由・その3~日向坂46とオードリーの幸福な出会い~

アイドル

その面白さが、アイドルバラエティのレベルを遥かに超えていると評判になっている”日向坂で会いましょう”

今や飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続ける日向坂46と人気お笑いユニットオードリーが本気でぶつかりあう、ガチンコのバラエティ番組である。

3回にわたって書き下ろした、アイドルバラエティのMCにお笑い芸人が起用され続ける理由。

最終回では、日向坂46とオードリーが如何にして奇跡の出会いを果たしたのかを考えてみる。

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オードリー、ひらがなけやき初の冠番組”ひらがな推し”のMCに就任


2018年4月に放送が開始されたひらがなけやき坂46初の冠番組”ひらがな推し”。

そのMCに起用されたのは人気お笑いコンビの”オードリー”であった。

数多のお笑い芸人の中でも、特に女性との距離の取り方が下手だと思われていたオードリーの二人。

40歳になっても独身だった二人が、歳若い女性アイドルたちと上手い関係性が築けるのかを心配する声も上がった。

同じ時期に、サンドイッチマンがMCを努める日本テレビのHINABINGOも始まった。

HINABINGOはAKBINGOの系譜を踏襲していて、”ムチャぶりドッジボール”や、”ロシアンルーレット”、”クイズ王”などの定番企画で、サンドイッチマンがそつなく進行していく安定した番組になっていく。

一方オードリーは、女性アイドルグループとガッツリ絡むのはほぼ初めての経験である。

御互いに手探り状態で始まった”ひらがな推し”。

初回の放送の中で、春日のメンバー紹介企画に、希望者を募って挙手を求めると、ほとんどのメンバーが気後れして手を挙げなかった。

するとすかさず若林が”そこはちゃんとテレビやろうぜ!”と言い放つ。

ひらがなメンバーたちが一気に緊張するのが画面越しにもわかった。

オードリーは本気だ!

若林のこの一言には、オードリーが本気で”ひらがな推し”に取り組もうとしている熱意のようなものがこもっていた。

そして若林のその言葉を理解して、即座に取り組み方を変えてみせた日向坂メンバーもまた凄かった。

この4月期、ひらがなけやきの初冠番組が2つ同時に始まるに当たって、キャプテンの佐々木久美は、”私はこの番組に命を懸ける。みんなはどうする?”とメンバーに問いかけた。

佐々木久美はメンバーの答えを待たず、

死ぬ気でやってみ!死なないから

佐々木久美はメンバーにこう言い放つ。

このフレーズは、佐々木久美が”口癖のように言う言葉で、久美が一番好きな言葉”だと加藤史帆がどこかで語っていたことを思い出す。

この言葉には、欅坂46の躍進の陰で、長い間闇の中に放置されていたひらがなけやきにようやく与えられたチャンスを、絶対に掴むんだというキャプテン佐々木久美の覚悟が込められていた。

人見知りだが、身体能力が高く、体育会系でアスリートタイプが多いひらがなけやきメンバーたち。

キャプテンが一声かければ、みんなは必ず同じ方向を向いて走り出す熱いグループとしてまとまりつつあった。

そんなオードリーの本気とひらがなけやきの本気がぶつかり合って、”ひらがな推し”は、アイドルバラエティとは思えない熱量を生んでいく。

 抜き打ちカバンの中身チェック!では井口眞緒がアイドルの枠に収まらない破天荒な個性を示し、春日に挑戦! 特技バトル!!では東村芽衣が驚異の身体能力を見せつけた。

そして妄想未来ヒストリーでは、グループNo.1の知性派影山優佳が、30歳で国会議員になるという自身の壮大な夢を描いてみせた。

週替わりでMVPが生れるというアイドルバラエティとしては理想的な展開である。

1stアルバム発売記念! バンジージャンプでヒット祈願企画では、恐怖で飛ぶことができないメンバーに代わって、キャプテンの佐々木久美と井口眞緒が2度バンジーを飛ぶという漢気(おとこぎ)を見せて、ロケに同行していた”どきどきキャンプ”の佐藤満春(サトミツ・放送作家でもある)を感動させ、号泣させた。

この日以来サトミツは”おひさま”(日向坂46ファンのこと)代表として、自身のラジオ番組や雑誌メディアでメンバーの魅力を語る、ひらがなけやきのプレス(広報)の役割りを果たすようになっていく。

ドキッ! ひらがなだらけの爆笑大喜利大会!では、多くのメンバーが芸人顔負けの爆笑ネタを披露して、お笑いのスキルが高いことを示した。

これらは、次第にテレビ業界内でも話題になっていく。

”ひらがな推し”が面白い。

アイドル番組のクオリティを遥かに超えている。

など、様々な賛辞が聞こえるようになっていった。

ライターの”テレビのすきま(戸部田誠)”氏は、

ここで、今回最後の“推しバラエティ”を紹介したいと思う。
オードリーが司会を務める『ひらがな推し』(テレ東系)である。

それは、「坂道」グループの末っ子、けやき坂46の冠番組だ。
通称・ひらがなけやき。
漢字の「欅坂46」の妹分だが、AKBで言うところの非・選抜=アンダーメンバーではなく、別ユニットのニュアンスが強い。
事実、今年の1月30日から2月1日にかけて、平手友梨奈の病欠で休演になった欅坂46に代わり、まだデビュー前にも関わらず、武道館3DAYSを開催して3万人を集めたけやき坂46――。

とはいえ、一般的には彼女たちは無名である。
そんな無名の冠番組の司会に指名されたのが、オードリーだった。
そして――これが抜群に面白いのだ。
「坂道」グループで一番面白い

番組は、日曜深夜の放送である。
24時から坂道グループの3番組(『乃木坂工事中』『欅って、書けない?』『ひらがな推し』)が順次オンエアされるが、その3番目だ。既に25時台に突入し、およそ普通の勤め人の見る時間帯じゃない。
さらに言えば、メンバーを見ても誰も知らない。
しかし――この3番組を通して見ると、なぜか『ひらがな~』が図抜けて面白いのだ。
理由は?
――若林正恭がいるからである。

前の2つは、既にメンバーの知名度が高いこともあるが、アイドルの番組である。
それに対し、「ひらがな~」は、バラエティ番組なのだ。
視聴者が名前も性格も知らない女の子たち20人ほどを会話のキャッチボールで操り、彼女たちの個性を引き出しているのが、若林サンである。
時々、飛び道具で春日サンを放ち、彼女たちをかき乱したり――。

面白いのは、30分間の番組が終わるころには、当初は知らなかった彼女たちの個性や立ち位置が、なんとなく見えているのだ。
何より凄いのは――僕らは「けやき坂46」に対し、ちょっと興味が湧いているのだ。
恐るべし、若林正恭。

と語っている。

番組を自在に操っていたのは、確かに若林だった。

素人の若い女性を苦手としていると思われていた若林が、アイドルの卵たちと絶妙な距離を保ちながら、彼女たちの個性を見事に引き出したのである。

このころの春日は、まだひらがなメンバーとの距離感がつかめず、恐る恐る絡んでいる状態であった。

その春日も次第に変わっていく。

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的確過ぎるオードリーのひらがなメンバー評

ひらがな推しが始まって数回の放送を終えた時点でのオードリーのひらがなメンバー評。

わずかな期間で、メンバーの特徴を掴んで、個性を引き出そうと考えていることがわかる。

★斎藤京子
(若林)ポイントをきちんと押さえていて、必ず見せ場を作ってくれますね
(春日)自分でちゃんと齊藤京子像というものを持っていて、“齊藤京子的にありかなしか、という基準でしっかりと 動いていると感じます。20歳ながら、プロデ ュース能力はかなり高いですね
(若林)毒舌にも期待。ラーメン好きで知られているけど、じつは肝が据わった目つきをしているんですよ。
ときどき気の強さも垣間見えるし、ゆくゆくは毒舌とかにも期待したい。

★佐々木久美
(若林)年上メンバーとして て全体をまとめていて、責任感をしっかり持っていると思います。
でも、どこかちょっと抜けている感じがあるのがいいですね
(春日)ひらがなけやきをまとめるポジションだと思いますが、打席に立ったらバント しないでヒットを狙う気がします


★佐々木美玲
(若林)慌てた表情を見せないし、わりと動じないなって思いますね。
芯が通っているというか、体を張る企画でもガンガンやってくれるのではと期待しています
(春日)シュッとして冷静な部分やアイドル的な部分、不思議な部分もある。
引出しがいろいろありそうですね

★高瀬愛奈
(若林)英語を話せるというだけで盛り上がるし、MCとして助 けられています。
海外での経験など、新世代のアイドルトークは聞いているだけで楽しいですね
(春日)センター試験の英語で満点だったなど、今のところは賢いイメージですが実は天然。
これからが楽しみ

★高本彩花
(若林)表情を見ていると、 自分の言葉や好き嫌い、”YES・NOをはっきり持っている感じがします。
高本にスポットを当てる企画もいいと思うし、 慣れてくればいろんな個性が出てきそうな印象があるので楽しみ
(春日)礼儀正しいし、アスリートっぽい感じがありますね

★東村芽衣
(若林)しゃべらなくても許されるというか、 しゃべらないほうがMC的に助かるというか(笑)。
本人に嘘がないからだと思いますけど、(バットを)振らずして勝つ、みたいなところがあります
(春日)なかなかいない逸材。いるだけでショーになる。姫子(能収の絵)みたいなコです(笑)
(若林)ミラクルを起こす!!おとなしいコだけど、特技披露中に靴が脱げたり、何か持ってるなと感じます。
ミラクルを起こしてくれそうな雰囲気があるので、うまく引き出したいです。

★井口眞緒(活動自粛中)
(若林)サッカーでいうと フォワードみたいな存在。いい意味で、ぶっ飛んでいるので、バラエティ的な 点取り屋です
ナチュラルに・・・へんな 人ですね。ゴルフなら隣のホールにボールが飛 んでいった状況なのに、本人はなんとも思って いない、みたいなところがおもしろい
(春日)一生懸命な“変人。
食べ終えたおしゃぶり昆布をお財布代わりにしていたり、もう天然とかじゃない、変な人(笑)。それでいて一生懸命なところが、 より変人度を上げています

★潮紗理菜
(若林)いつもニコニコ明るくしているイメージです。でも、いざスポットライトが当たると、思いきりスイングしてくるのではないかという感じもありますね
(春日)正統派アイドルと言えるコ。でも、収録を重ねていくうちにおもしろい部分が見えてきています。

★柿崎芽実(卒業)
(若林)一歩下がったとこ ろで全体を見ているので、じつは、心の中で何か企んでいそうな魅力があ ります。今後、注目したいメンバーの一人で す
(春日)ガツガツ前に出るコではないだけに、あとからよさが出てくるタイプだなと思 います

★影山優佳
(若林)めちゃくちゃ頭がいい。何か披露するときも、肝が据わっているし、ツッコミ的な視点も持っているので、トークもおもしろくできると思います
(春日)17歳なのに、自分のことをよくわかっている。バラエティの押し引きも冷静に分析している感じがありますね。マニアックな秀才。サッカー好きで、審判資格 も持っていて、好きな選手 はACミラン時代のカカ。まだ17歳なのに驚きですよ。 勉強もできるらしく、底知れぬものを感じます。

★加藤史帆
(若林)ブレーキが壊れて いる感じがおもしろい。馬力もあるし、中心的存在ですね
(春日)根性があるし、自分のことを俯瞰で見ている雰囲気があるから、つらい状況にも耐えて乗り越える力があると思います。過酷な長期のチャレンジ企画にも挑めそうな気がします。
他番組の運動会企画で、大玉に吹っ飛ばされて一瞬気絶したんですよ。
あれは衝撃でした。怪我には気をつ けてほしいけど、その全力ぶりは今後も注目したい。

★金村美玖
(若林)明るくてまっすぐ、 で素直で・・・。まさに王道アイドル。
でも、体を張る企画もさわやかに一生懸命できるのがいいですね。
(春日)特技披露のときに悔しくて泣いたのを見るとすごく思いが強いなって。
自分の15歳のころとは違いすぎて、想像できない(笑)

★河田陽菜
(若林)みんなを押しのけて前に出るタイプではないけど、 掘り下げたら驚くようなものが出てきそう。奥行きがある感じがあります
(春日)正統派としてもいけるし、今後、パッと主役になれるときが来る予感がしますね、絶対。
これからが非常に楽しみです。

★小坂菜緒
(若林)最初のMC当てクイ ズでオードリーと 書いてくれたし、ひいきしていこうかなと(笑)。
モデルもしているし、女子のカリスマになれるよう、 体を張った企画はやらない方向で(笑)
(春日)これぞ坂道シリーズという雰囲気です。おとなしそうに見えて芯は強そう。
唯一のオードリー推し。彼女は番組開始前のアンケートで、MCになってほしい芸人として、唯一、我々のことを挙げてくれたんです。露骨にひいきしていきた いですね(笑)。

★富田鈴花
(若林)アイドルとしてかわいいけど、「うる せーなー」ってこっ ちに悪態をつかせてくれるタイプ (笑)。
バラエティ的にすごく重要だから、この まま心折れずにいてほしい
(春日)ラップなど、準備も相当しているだろうけど、つねに明るくて、苦労を見せないところがすごい。
(若林)積極性は一番。アグレッシブに前に出てくるのに、そこまで長打を打てない(笑)。
でも、チームには必要なキャラだし、空回りしてる感じも逆にいい。めげずに続けてほしい。

★丹生明里
(若林)うまく話せないメンバーの仲介役になったり、ハキハキ と答えてくれる。学級委員的な存在になってほしい。進学塾のCMにも出てほしいね。
(春日)控えめな優等生と思いきや、やるときはやる。ガリ勉だと思って喧嘩したらめちゃめちゃ強かったみたいな感じですね

★濱岸ひより
(若林)あまりしゃべらない くても目を引きますよね。持っている雰囲気でその場が成立しちゃうタイプだと思います
(春日)その場に着火だけして離れて、爆発するのを遠くでこっそり笑って見ているみたいな。しかもそれが許される。本当に不思議な雰囲気がある

★松田好花
(若林)何をやってもすごく完成度が高い。コメントひとつでも、クオリティー高いですね。
(春日)京都出身だからかもしれないけど、いい女たになるだろうなと感じさせる。いつも笑顔だし、将来スナックをやったら、その気がなくても相当手玉に取れると思いますよ、(笑)。

★宮田愛萌
(若林)アイドル感を出す のが得意ということがわかったので、 そこをどんどん伸ばしてほしい。
あざとさみたいなものを前面に出してもいいと思いますね
(春日)何をやっても品があるんですよ、アイドル感を全開にしても、なぜか過剰にならないのがすごい

★渡辺美穂
(若林)スポーツ少女のイメージがあるので、 アイドルらしくさ わやかなところをどんどん番組で見せていきたいですね
(春日)独特の部活感を感じますね。泣きながらでも向かってきますから、昔の女子プロレスラーの卵みたい。
それくらい根性があるなと感じます。泣き虫スポーツ少女と春日とのバスケ対決でき泣きだして、芸人のセオリーとは違うルートで笑いが取れるコだなと。爽やかスポー ツ少女なので、身体能力を引き出したらおもしろそう。

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怒涛の展開を見せたひらがなけやきの2018年、2019年2月”日向坂46”へと改名


平手友梨奈の負傷が思いのほか長引いたことで、急遽廻ってきた日本武道館ライブ3daysで始まったひらがなけやきの2018年。

4月からは、ひらがな推しKEYABINGO4~ひらがなけやきって何?~という2つの冠番組の放送が始まった。

舞台あゆみに初出演。(4月20日~5月6日)

1stアルバム”走り出す瞬間”発売記念東阪名ツアー。(4月~7月)

12月には『ひらがなくりすます2018』で再び日本武道館のステージに立った。

ひらがなけやきにとっての2018年は、闇の中をさまよっていた3年間を取り戻すかのような怒涛の1年であった。

2019年になってもその勢いは止まらない。

2月11日に日向坂46に改名。

3月27日に待望のデビューシングル”キュン”をリリースした。

ひらがなけやきの改名に伴って、ひらがな推しは、”日向坂で会いましょう”とタイトルが変わった。

オードリーと日向坂46の共演は、間もなく3年目を迎える。

日向坂で会いましょうは、日向坂ファンだけでなく、オードリーのファンの支持も獲得しつつある。

バナナマンと乃木坂46との関係にはまだ及ばないものの、オードリーと日向坂46の関係も次第に世間の認知を得てきているようだ。

業界内での評判は相変わらず高い。

次章ではオードリーと日向46の出会いが何故成功したのかを考えてみる。

”ひらがな推し”と”日向坂で会いましょう”が成功した理由

両者の共演が成功した最大の要因は、”絆”であり”信頼”である。

オードリー特に若林は、この番組を面白くして日向坂メンバー一人一人の個性を引き出すんだと本気で考えている。

そのために自身が持つバラエティのスキルを惜しみなく発揮している。

メンバーの発言は、俺がすべて拾って面白くしてやる、その決意が見えるのである。

だから日向坂メンバーは安心して、ボールを打つことができる。

無論キャプテン佐々木久美仕込みの、”死ぬ気でやってみ、死なないから”精神も番組を面白くしている大きな要因である。

一人のメンバーがボケると、全員一緒になってボケ倒す。

その一糸乱れ団体芸は、日向坂のお家芸になった。

春日は、番組開始当初、イジリ―岡田ばりの異様さを前面に出して、メンバーに悲鳴を挙げさせる、公式ド変態キャラを演じていた。

ところが、日向坂メンバーが春日の素の優しさに気付いてしまい。どんどん距離を縮めてしまう。

春日も日向坂メンバーのこれまでの苦労や、現在の頑張りを見て、どんどん”日向坂好き”になってしまったのである。

春日が大喜利下手のヘタレ芸人キャラを嬉々として演じ、そこを目掛けて日向坂メンバーがツッコミ倒すというのがこの番組のひとつのお約束にもなった。

もう一つ、番組の最後を必ずスタジオライブで終わらせていることも非常に良い。

日向坂メンバーが、可愛さ全開で歌い踊る様子を毎週見せることは、日向坂のイメージ戦略としてとても重要である。

視聴者はこのスタジオライブを見て、メンバーが単なるバラエティタレントではなく、現役バリバリのアイドルであることを再確認するのだ。

番組制作スタッフが手間を惜しまず、毎週歌のセットを作り、カメラを廻している。

日向坂メンバーがスタッフに愛されているからこそ実現しているのだろう。

番組のテンポが非常に良いことも成功の要因の一つだ。

ちょっとした事でも全てにツッコミを入れ、誇張しすぎなのにも関わらず嫌味のない大爆笑。

全体の仕切りは勿論、あくまでひらがなけやきの番組であるというスタンスの廻しをする若林には、このテンポがピタリとハマっている。

春日は、基本的に存在そのもがボケであるが、振られたらフルスイングする。

無論空振りも多い。

時折見せる的確なツッコミ、回によっては裏回しも担当する。

オードリーがメジャーになって、もう通用しなくなったはずの異形キャラもバラエティ初体験のひらがなけやきにはまだまだ通用した。

乃木坂46の公式お兄ちゃんであるバナナマンの設楽統と若林の一番の違いは、メンバーに対する目線の高さだ。

設楽のメンバーイジリは、あくまで大人目線である。

設楽は、乃木坂メンバーよりほんの少し上に位置する目線でメンバーを見ている。

だからこそ選抜メンバー発表企画で、メンバーを励ますためににかける言葉に重みが出るのだ。

一方で、若林は日向坂メンバーと同じ高さに目線を置いている。

若林はそうすることで、メンバーがツッコみ易い”隙”を敢えて作っている。

わざとそこにツッコミをいれさせ、しばしばメンバーと一緒にコントに参加してしまうのである。

そうなると番組はカオスである。

収拾する者がいない爆笑状態が生れてしまうのだ。

おそらくオードリーは、日向坂46の公式お兄ちゃんにはならないだろう。

少し年上の近所の幼馴染みくらいの関係性というところだろうか。

日向坂46の積極性をすべて受け止めてくれるオードリー。

両者は、まさに幸福な出会いを果たした。

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