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乃木坂46 18thシングル選抜発表エピソード~”逃げ水”で3期生大園桃子・与田祐希をWセンターに抜擢!砕け散った3期生の絆、バレッタの悪夢再び~

アイドル
  1. 18thシングル”逃げ水”のWセンターに3期生から大園桃子・与田祐希の二人がサプライズ抜擢された
    1. 3列目(6人):選抜人数3名減と3期生2人の抜擢によって、17thの3列目から5名が選抜落ちしてしまった。
    2. 2列目(6人):星野みなみが久々の福神復帰、若月・生駒・桜井が3列目に下がった
    3. 1列目(6人):3期生大園桃子と与田祐希が初選抜にして初センターにサプライズ抜擢!
    4. 18thシングル”逃げ水”のWセンターは、ほとんど活動実績がない3期生の大園桃子と与田祐希
  2. 3期生をWセンターに抜擢した運営の狙い
    1. 3期生お披露目のセンターは大園桃子だった
    2. 与田・大園のセンター抜擢で3期生の絆は無残に砕け散った
    3. 運営が大園と与田をセンターに選んだ理由
  3. 18thでの3期生のWセンター起用が一期生卒業の決断の背中を押す~中元日芽香と伊藤万理華の対照的なアイドル人生~
    1. 中元日芽香の場合:アイドルとして成功するために大学進学をあきらめて退路を断った
    2. 長いアンダーメンバー暮らしが次第に中元日芽香の心を蝕んでいく
    3. 中元日芽香が選抜メンバーになれなかった理由
      1. アンダーライブ九州2017@宮崎公演で中元日芽香が語ったこと
      2. 心理カウンセラーとしての活動
    4. ぶれない価値観で、独自のアイドル人生を貫き通した伊藤万理華
    5. 中元日芽香と伊藤万理華、2人の明暗を分けたものの正体
    6. 川村真洋の卒業

18thシングル”逃げ水”のWセンターに3期生から大園桃子・与田祐希の二人がサプライズ抜擢された

18thシングル”逃げ水”2017年8月9日リリース。
累計売上106.6万枚(前作”インフルエンサー”104.9万枚比で101.6%)は伸び悩み、わずかに前作を上回って、かろうじて3作品連続でのミリオンセールスを達成した。
前年末の2016年12月に”お見立て会”でデビューしたばかりの3期生から大園桃子と与田祐希の二人が18thシングル”逃げ水”のWセンターに抜擢された。
活動実績がない3期からのセンター抜擢は、7th”バレッタ”での二期生堀未央奈センター抜擢以来のサプライズであった。


”逃げ水”のMVはこちら

18thシングルの選抜メンバーは、2017年7月10日深夜放送の”乃木坂工事中”で発表された。
体調不良で欠席した松村沙友里を除く全メンバー46名がスタジオに集められた。

乃木坂工事中の収録スタジオでの選抜メンバー発表は15th以来1年以上ぶりで、さらに3期生にとっては初めての経験である。

18thシングルの選抜メンバーは前作より3人減って18名。

17thに引き続き今作もWセンターと発表された。

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3列目(6人):選抜人数3名減と3期生2人の抜擢によって、17thの3列目から5名が選抜落ちしてしまった。

17thの3列目から18thで脱落したのは、寺田蘭世・北野日奈子・斉藤優里・樋口日奈・中田花奈の5人。

★⑬ 伊藤万理華(3列⇒3列)
通算10回目、16thから3作品連続の選抜メンバー入り。

●コメント
呼ばれる気がして 一番最初に‥‥。予感が当たりました。自分ができる限りの事は これからできるだけやっていきたいなって思ってて、(乃木坂に)貢献していきたいです。頑張ります。

★⑭ 新内眞衣(3列⇒3列)
通算4回目、16th以降3作連続の選抜入りで、選抜常連の道が開けてきた。
●コメント
今回で4回目なんですけど 今までの3回はスタジオで発表されたことがなくて‥、この場所に立つのがすごい初めてで、そうなんです。スタジオの時に逆に呼ばれないんじゃないかなって思ってて、また今回も呼ばれてほっとしてます。嬉しいです。

★⑮ 生駒里奈(2列⇒3列)
全作での選抜入りは継続したが、12福神からは外れてしまった。
●コメント
この夏は私は個人的にもまた新しく挑戦することがあるので舞台とか、なので今年は後ろからしっかり支える基盤に私はなりたいですし、自分がどれだけできるかっていうのをこの夏は試す期間になるかなって思っています。

★⑯ 桜井玲香(2列⇒3列)
生駒同様全作品で選抜入りを続けているが、14th以降は3列目と2列目を交互に繰り返しているのが現状である。
●コメント
3期生が入ってきて 今まで真ん中ぐらいの年代だったんですけど 下の子がだいぶ入って 上のほうの年代になってきているので ちゃんとみんなを支えられるように頑張りたいと思います
(設楽統)なんかこうさ 最近深川とか橋本とかいなくなって3期生入ってきて 結構うねりがあったじゃん そこの18枚目だからさ ここからガツっとまた
(桜井玲香)いかに団結するかっていうのが‥‥
(設楽統)なんかね ちょっと頑張って見せてもらいたいと思います
(桜井玲香)はい頑張ります。

★⑰ 若月佑美(2列⇒3列)
3rd以降選抜入りを継続中、16・17thと福神だったが、今作では外れた。
●コメント
乃木坂もだいぶ今年で結成6年ということで 経ってきていろんなことを変えていかなければいけないなっていう風にグループ全体としても思いますし なんかでも一つ一つのことに 今自分があの時あ~すればよかったって今乃木坂にはいって思うことがないので それを今後も続けていけるようにして
(設楽統)若月なんかもね舞台やったりとかいろいろやって なんかそういうすごいいろいろな力蓄えたのをここで集まってドンっていく凄みみたいなのを出せるといいよね
(若月佑美)そうですね めちゃくちゃ活かせるなって思うことが多いなって今になってすごく感じているので いろいろ引っ張ってきて入れてみたいなことを繰り返せたらいいなと思います。

★⑱ 井上小百合(3列⇒3列)
通算15回目、3作連続の選抜メンバー入りである。
●コメント
最近こう客観的に乃木坂っていうグループが世間からどう見られているのかなって考えることが多くて それに対して自分たちがどう応えられてるのかなっていうのをすごく考えてるんですけど まだまだ足りてないなって思うし 乃木坂としてみんながもっとより一層同じ方向を向けるように そのあと押しを私もできるように頑張りたいなと思います
応援してくれる人に対しては 恩を返したいので やっぱここで負けずにちゃんと向上心をもってやっていきたいと思います。

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2列目(6人):星野みなみが久々の福神復帰、若月・生駒・桜井が3列目に下がった

★⑦ 星野みなみ(3列⇒2列)
16回目の選抜入り、14th以来で4作ぶりの福神(通算6回目)復帰である

●コメント
1年ぐらい(ずっと3列目で)同じ景色を見てて、なんか自分のなかであんまり気分かわらないというか、あんまりそういうのなくしたいなって思ってたタイミングだったので、新しいこの位置は初めてなのでまた違う景色が見れるんじゃないかなってすごい楽しみだなって思います。
(設楽統)場所変わるととくに 十二福神だと違ういろいろなこともあるだろうしね なんかふわふわしてる星野・・
(星野みなみ)いやもう ちゃんとしますね
(設楽統)でもたぶん変わってるんだろうね みんなもう
(星野みなみ)でもちょっとなんか3列目で得たものもあったので それが出せればいいなって思います

★⑧ 松村沙友里(2列⇒2列)
全作品選抜継続中、13回目の福神入りである。
体調不良でスタジオ収録は欠席だった。

★⑨ 生田絵梨花(2列⇒2列)
休養中の9thシングル以外、全作品での選抜・福神入り(10thではセンター)を継続中
外仕事では、2016年の写真集の成功に続き、ミュージカル”ロミオとジュリエット”(ジュリエット役・2017年1~3月)、”レミゼラブル”(コゼット役・2017年5~10月)などの大役を演じ、2017年6月12日、ミュージカル女優として高く評価され、第8回岩谷時子賞奨励賞を受賞、若手女性ミュージカル俳優として内外から期待される存在になった。
●コメント
私もホントにいろんなことに貪欲に挑戦して 自分の力も高めたいですし 乃木坂の全体の力にも貢献できるように 頑張っていきたいなと思っています
なんの活動しているときも やっぱ乃木坂を背負っているっていう感覚が常にあるので それでより人の何倍も頑張らなきゃって思うし 戻ってきたときには温かさも感じるし 改めて外に出ると‥‥。

★⑩ 秋元真夏(2列⇒2列)
●コメント
6年目なのでいろんなことに慣れてはくるんですけど、やっぱり外にでたらやっぱりまだまだ未熟なとこがたくさんあるので、そういうところで団結してみんなで基礎から固めていかないと今後大きいグループにできないかと思います
▼秋元真夏の”コケ芸”

★⑪ 衛藤美彩(1列⇒2列)
11回目の選抜入り、6作連続、通算7回目の福神入りである。
ソロ写真集”話を聞こうか。”も発行部数10万部超で、乃木坂46の大人メンバーとして、すっかり人気も定着した。
●コメント
昔したいなって思っていたこととかが今やっと形にこうだんだんとなってきて、
3期生も入ってきて乃木坂って夢がかなう場所なんだなって思ってもらいたいし、それを自分が活動することで示していきたいし、
頑張ればここまでこれるんだよっていうのを やっぱ胸張って言えるぐらいに挑戦していけたらいいなと思います
個人っていうよりかは乃木坂がもうランク、ランクっていうかもう少し上にみんなで、みんなの力だといけそうだと思うんで

★⑫ 高山一実(2列⇒2列)
全作品選抜継続中、7作連続、通算10回目の福神入り。
乃木坂46のバラエティ担当とされていたが、2016年から小説の執筆を始めたり、独自の路線を歩み始めた。
ただブレークするほどのインパクトがなく、1stソロ写真集の売り上げも芳しくなく、高山は自信を失いかけている時期でもあった。
●コメント
ほかのメンバーが私にはできないようなお仕事を沢山しているのを見て すごいなっていう風により思ったシングルでした
(設楽統)けど高山は高山で独自の道を行こうとしてるよね
(高山一美)いや~なんかやっぱりありがたいんですけどテレビの仕事とかうまくしゃべれなくて やっぱ着実に仕事しているメンバーみるとやっぱすごいなっていう風に思ってます
(設楽統)まあでもみんなその葛藤・・ そんな訛ってたっけ?あなた
(高山一美)や、や、なっ、やっぱり
(設楽統)でもみんな葛藤もちながら 現場で乃木坂以外の人もみんなやってると思うし 頑張ってください
(高山一美)ありがとうございます 頑張ります

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1列目(6人):3期生大園桃子と与田祐希が初選抜にして初センターにサプライズ抜擢!

★① 齋藤飛鳥(1列⇒1列)
11回目の選抜、6作連続(通算6回)の福神入りで、主要メンバーとして完全に定着した。
●コメント
(メンバーが)だんだんとポジションとか関係なく個人のお仕事をいただいている様子をすごい見てて、
それはすごく良いありがたい環境だなって思ってて、
全体がすごく上がってるからみんなも 自分ももうちょっとなんか見つけないといけないなというか‥‥

★⑥ 堀未央奈(1列⇒1列)
10回目の選抜、3作連続の福神(通算5回目)入り。
●コメント
2年前の夏に選抜落ちをしまして、そこでやっぱり悔しかったのもあるんですけど、たくさんのことを学んだというか、今の自分があるのもその時にいろんな経験ができたからだと思っていて、そういことを考えて今回夏のシングルをフロントでやらせていただけるっていうのは なんか2年前の時は考えられなかったけど、やっぱもっと頑張りたいなって思います
なんかこのシングルでまたみんなと思いでを作りたいし、乃木坂としてももっと成長したいなって思います

★② 白石麻衣(1列・Wセンター⇒1列)
全18作品選抜・福神継続中。
2nd写真集”パスポート”は、爆発的に売れて、社会現象になっている。
●コメント
グループとしてまだまだ大きくなっていくと思うので 私は今できることを精一杯やっていけたらなと思ってます
(設楽統)白石に関しては写真集とか 今世紀一番売れてるんですし あと一個自分で何か目標つくってそこにもってくってのが出来るメンバーだから
(白石麻衣)いえいえいえいえ
(設楽統)いやいやできるよ そうやって自分で謙遜しててもそうだから 単純に野球選手でも今年は何本ホームラン打ちたいですみたいな ようは目標作ったら達成させられるメンバーの1人だと思うから これは期待しています 引っ張って行ってくださいね
(白石麻衣)はいがんばります ありがとうございます

★⑤ 西野七瀬(1列・Wセンター⇒1列)
18全作品選抜継続中、6thから13作連続福神(通算14回目)入り。
フロントに選ばれても、センターになっても泣いてばかりで、ネガティブなコメントを発していた西野が、今作では吹っ切れて、笑顔でコメントを残した。
▼笑顔で語る西野七瀬

●コメント
なんだろう個人的に わりと笑うことが増えてきたのかなと
(設楽統)あの~前ここのスタジオで楽しいことより辛いことのほうが多いんですって泣いてたじゃないですか
(西野七瀬)はい
(設楽統)最近はじゃあ楽しいことも多くなってきた
(西野七瀬)楽しいことが多いです、(これからも楽しく)いきたいなって思います
(設楽統)いいね なんかよかったよ
(西野七瀬)今回のシングルも楽しいなっていう気持ちを忘れずに 活動したいなって思います

この時点でセンター経験者は、全員が名前を呼ばれてしまった。
次に誰が呼ばれても初のセンターとなる。
7thシングル選抜発表の再現である。
スタジオ中が緊張感に包まれた。
全員が固唾を飲んで待ち受ける中、名前を呼ばれたのは、まさかの3期生、大園桃子と与田祐希。

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18thシングル”逃げ水”のWセンターは、ほとんど活動実績がない3期生の大園桃子と与田祐希

★③センター 大園桃子(初選抜・初センター)
▼センターに指名されて固まる大園桃子

●コメント
すごいびっくりしてるんですけど 迷惑かけないように頑張っていきたいです

★④センター 与田祐希(初選抜・初センター)
▼泣きながらインタビューに答える与田祐希

●コメント
私は3期生の中でも特になんかできるわけじゃなくて なんかむしろみんなよりできないことばっかで すごい不安なんですけど 成長できるように頑張ります

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3期生をWセンターに抜擢した運営の狙い

3期生お披露目のセンターは大園桃子だった

3期生オーディションな最終日は2016年9月4日、書類審査、全国13都市での各地方審査、3次審査、4次審査、そしてこの日の最終審査を経て12名の3期生が誕生した。

3期生オーディションには、一期生の38,934人、二期生の16,302人の応募を大きく上回る48,986人という史上最多の応募が集まった。

その意味では3期生合格者12名は最もレベルが高く、12名全員が厳しい戦いを勝ち抜いてきた勇者たちである。

その中で、プレスからの注目度が最も高っかったのは大園桃子で、プレスへのお披露目でセンターに立ったのも当然大園桃子であった。

3期生オーディションでは、乃木坂46とも縁のある出版社各誌とコラボした特別企画を実施し、合格者には各誌特別賞が与えられた。

その中で複数のメディアの特別賞を授賞したのは、以下の4人。

★大園桃子:6誌 週刊ヤングジャンプ、週刊ビッグコミックスピリッツ、FLASHスペシャル、月刊エンタメ、BOMB、AKB新聞

★久保史緒里:4誌 FRIDAY、EX大衆、別冊カドカワ、週刊プレイボーイ

★与田祐希:3誌 BRODY、OVERTURE、B.L.T.

★山下美月:3誌 Zipper、LARME、週刊ヤングマガジン

12名の中で、メディアの注目を最も集めたのも大園桃子だったのである。

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与田・大園のセンター抜擢で3期生の絆は無残に砕け散った

二期生の育成に失敗した運営は、初期のころから3期生には、3期生単独での稼働を行わせた。

約5万人の応募という激戦のオーディションを勝ち抜いた3期生は、その分だけプライドも高く、同期生をライバルと見ていた。

その12名を徹底的に競わせ、3期生全体のレベルアップと知名度のアップを図ろうとしたのである。

2017年2月に行われた乃木坂46のニューカマーにとっての通過儀礼となっている舞台”3人のプリンシパル”では、久保史緒里と山下美月の2人がぶっちぎりで観客からの支持を受けた。

18thシングルでいきなりWセンターに抜擢された与田祐希は12名中4位、大園桃子にいたっては12名中で下から2番目の成績であった。

当時のことについて二人の同期の久保史緒里は、
”逃げ水の選抜発表で、3期生の関係は崩壊して、みんなが個人プレーに走るようになってしまった。”
と語っている。(乃木坂46ドキュメンタリー “僕たちは居場所を探して 久保史緒里の場合”での発言)

そのため3期生は”バチバチ”だとファンから指摘されることもあった。

山下は3期生は”体育会系”だと言い、久保史緒里は”同期は友達とは違ってた”と言っている。

その3期生たちも次第にお互いの気持ちや苦悩を理解しはじめ、心の距離を縮めていく。

そういう競争の中で、3期生は1期や2期とはやや違う絆を結んできたのである。

ずっと競い合ってきた3期生たち、乃木坂46加入から5年たって、一人の脱落者も出していないことは特筆に値する。

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運営が大園と与田をセンターに選んだ理由

3期生をいきなりセンターに抜擢したのには理由がある。

深川麻衣や橋本奈々未ら、一期生の中心メンバーが卒業し、白石麻衣や西野七瀬も年長メンバーになっていて、運営は乃木坂の将来に不安を感じ始めていた。

一期生で次世代エース候補は、齋藤飛鳥ひとり。

星野みなみは伸び悩み、二期生のエース候補だった堀は、7th”バレッタ”でセンターに抜擢されたものの、ファンからの支持が伸び悩み、その後にはアンダーまで転落してしまった。

乃木坂の次世代を担うメンバーを育てることは運営にとっての最優先課題になったのである。

18thシングルで、運営は3期生をWセンターに抜擢し、白石・西野の2枚看板でサポートするという戦略を目論む。

白石も西野も人気は安定していて、7thの堀未央奈センター抜擢の時のように動揺することはない。

新人の3期生をしっかりと支えてくれるだろうと踏んだのだ。

3期生のセンター候補は4人、その中で、久保史緒里、山下美月の2人が、人気・実力ともに頭一つ抜けている。

それに続くのが与田祐希と大園桃子だった。

そういう状況の中で、運営は大園桃子と与田祐希をWセンターに指名する。

2人とも九州のド田舎の出身で、大園は純真無垢で天使のようなピュアな印象、与田は海の傍で育った野生児、ともに都会の洗練さとは無縁だが二人の瞳の輝きは無限の未来を感じさせた。

秋元康と運営は、その純粋さに賭けたのである。

3期生オーディションで、大園桃子は、緊張のあまり”ここは何処?私は誰?”状態に陥り、司会者の質問に何も答えられなかった。

それでもその後の選考会で大園桃子は審査員の圧倒的な支持を受け、トップ合格を果たす。

秋元康総合プロデューサーは、そのことについて
もちろん僕も彼女がいいと思っていた。
もし誰からも推す声が上がらなかったら、僕はみんなを説得しようと思っていたのだが、 他の審査員誰もが彼女に魅了されていた。
不思議な世界である。
ルックスが良かったり歌が上手かったり、 ハキハキとインタビューに答えるだけじゃだめなんだ 。
プラスアルファの魅力、理屈ではなく引き寄せられるもの。
オーラ?スター性?運?
僕はその何かを持った彼女を3期生のセンターに迎えた。
と語っている。

大園と与田に負けたと感じて久保と山下は、悔しくて号泣、最初はMVもまともに見られなかったと語っている。

その後山下と久保は、進むべき道を見失ってしまい、迷走する。

3期生のエース格だった二人は、ともに一時体調を崩し活動を休止している。

山下と久保、この二人が乃木坂46の次世代エースとして復活するには、約4年の月日を要することとなる。

★”逃げ水”のMV

18thシングル”逃げ水”のMVは、7分を超える大作で、乃木坂46歴代MVの中でも屈指の名作となった。

しかし18thシングル”逃げ水”は、大々的なピロモーションを展開したにも関わらず、CDセールスは苦戦を強いられ、17th”インフルエンサー”をわずかに上回り、かろうじてミリオンセールスを達成するにとどまった。

18thでの3期生のWセンター起用が一期生卒業の決断の背中を押す~中元日芽香と伊藤万理華の対照的なアイドル人生~

中元日芽香の場合:アイドルとして成功するために大学進学をあきらめて退路を断った

乃木坂46の一期生中元日芽香は、1996年(平成8年)4月13日、広島県で生まれた。
小学校4年の時、人見知りだった日芽香を心配した母親の勧めで、地元の“アクターズスクール広島”に入った。

中学1年生の時、受験勉強に専念するため、アクターズスクール広島を退学することを申し入れたところ、中元の才能を惜しんだ担当講師に引き止められ、地元のアイドルグループ『SPL∞ASH』へ参加、ローカルアイドルとして活動することとなった。

中学3年生の時、歌やダンスで人を元気にしたいと思い、みずからの意思で、乃木坂46の一期生オーディションに応募し、合格する。

しかし、乃木坂46に入ってからの中元には苦悩の日々が待っていた。

中元が理想としたのは、大きなリボンやフリルで飾られた可愛い衣装を着て、ファンに向けて必殺技“ひめたんビーム”を放つ王道のアイドル像であった。

▼必殺技“ひめたんビーム”

しかし、歌やダンスが未経験のメンバーが多い中でも、中元は、なかなか選抜に入ることができなかった。

運営委員長の今野義男が、過去に芸能活動経験があるメンバーを“手垢が付いた素材”とみなして、選抜メンバーに入れることを嫌がったのが最大の理由だった。

乃木坂46に加入以前に芸能活動の経験がある衛藤美彩や、中元日芽香がその犠牲となってしまった。

広島時代のダンスのクセが抜けずに、他のメンバーと合わせることにも苦戦したし、加入から1年が経った頃には完全に自信を失ってしまった。

一度は選抜メンバーになることにこだわることをやめて、”自分らしさ”を大切にしようと考えるようにもしてみた。

だがそれは無理な事だった。

アイドルグループに所属している少女たちは例外なく誰もが、表題曲の選抜メンバーに選ばれるために日々血の滲むような努力をしているのだから。

6thシングル”ガールズルール”で選抜に入れなかった時はショックのあまり、同じ境遇だった衛藤美彩と抱き合ったまま座り込んで号泣、しばらくは立てなくなってしまったという逸話も残っている。

中元は、7thシングル”バレッタ”でようやく選抜入りを果たす。

それまでの2年間では、苦労して学業と芸能活動を両立させ、大学受験も考えていた。

だが7thシングルで、念願の選抜メンバーに選ばれたことで、改めて、歌やダンスが好きで東京へ上京した当時を思い出し、大学への進学を断念して、アイドル活動に専念することを決める。

中元日芽香は退路を断って、アイドルであり続ける人生を歩むことに決めたのである。

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長いアンダーメンバー暮らしが次第に中元日芽香の心を蝕んでいく

過酷な選抜メンバー争いは、次第にメンタルが弱いメンバーたちの心を蝕んでいく。

学業を理由に休業していた秋元真夏が4thシングルでで復帰した際に、いきなり2列目で選抜入りを果たす。

そのために、2列目から3列目に下げられてしまった西野七瀬は、“大阪に帰る!”と叫んでスタジオを飛び出し、そのまま大阪に帰ってしまう。

ずっとアンダー暮らしだった中元日芽香は、“いくら努力しても報われないんだと思い知らされた“とその時のことについて語っている。

中元は、7thシングルで一度は選抜入りしたものの、8thで再びアンダー落ちし、以降はアンダーメンバーの常連となってしまうのである。

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中元日芽香が選抜メンバーになれなかった理由

中元の人気と実力は、選抜メンバーに入っても何ら遜色がなかった。

それなのに、選抜メンバーに入れずにアンダーに追いやられることが多かった理由は、運営スタッフや番組スタッフからの評判が良くなかったからという声が多い。

彼女は才能は豊かだったが、メンタル面で脆さが目立ち、急に泣き出して番組進行が妨げられたり、罰ゲームを異様に嫌がって演出を放棄したり、仕事に穴をあけることもあり、それを白石麻衣など、主要メンバーがカバーするという場面がしばしばあった。

乃木坂46を卒業したあと、心理カウンセラーになった彼女は、自身が講師となったセミナーで、乃木坂46のメンバー時代に、スタッフから、“君の代わりくらい、いくらでもいる。”と言われたと暴露し、乃木坂ファンを騒然とさせた。

この発言が事実であれば、許されるものではないが、スタッフの発言の裏には、メンタルの弱さゆえに周囲を困惑させる中元の行動があったことも否めない事実だった。

メンタルを病みながらの中元のアイドル生活の主戦場は、アンダーメンバーとしてのものとなっていった。

2016年6月中元は、15thシングル“裸足でSummer”で、約2年半ぶりに2度目の選抜メンバーに復帰、16th”サヨナラの意味”でも選抜メンバーに選ばれた。

この中元抜擢の裏には、メンタルが悪化していく中元を心配した運営の配慮があったと推察される。

しかしその後も中元の体調は戻らず、2017年1月、体調不良を理由に、乃木坂46の17thシングル”インフルエンサー”の期間中、グループ活動と個人活動を休止することを発表する。

同年3月19日放送の『らじらー! サンデー』(NHKラジオ第一)から仕事に復帰したが、8月6日、生出演した同番組の中で、体調不良を理由として乃木坂46から卒業することを発表する。

翌8月7日には公式ブログで芸能界から引退することをファンに報告した。

アンダーライブ九州2017@宮崎公演で中元日芽香が語ったこと

中元日芽香と北野日奈子が座長を務めた乃木坂46アンダーライブ九州2017。
その最終日2017年10月20日のステージで、中元日芽香は卒業を決断した経緯をこう語った。

私ときぃちゃんは今回みんなにお世話になりました。
病気(内容非公表)で三年半通院しました。
もう無理だなと思ったから卒業を決めました。
それは誰にも相談しませんでした。
健康より乃木坂が大事だった、必要としてくれる人もたくさんいた。
改めて帰って来る場所はここなんだなって思えた。
正直辛いことの方が多かったし、特にこの一年はすごい泣いた。
これからの人生は笑っていたい、みなさん心配しないで欲しいし私を引き止めないで欲しい。
ここにいるみんなは体調・学問、恋愛禁止、いろいろ犠牲にしているし、特にアンダーは悩みが尽きない。
自分に自信を持って欲しい、認めて褒めてあげて欲しい。
ファンそれぞれに推しがいる、タイムリミットが分かってから焦るのではなく常日頃から応援してあげて、愛を伝えてあげて欲しい。
応援してくれた皆さんありがとうございました。

2017年11月8日、『真夏の全国ツアー2017 Final!』東京ドーム公演出演を持って、中元日芽香は約6年にわたる乃木坂46メンバーとしての活動を、失意の中で終了した。

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心理カウンセラーとしての活動

2018年11月20日、中元日芽香は公式サイトを開設、乃木坂46合同会社(乃木坂46LLC)に所属しながら心理カウンセラーとして活動を開始することを発表する。

中元日芽香オフィシャルサイトはこちら

同サイト上で早稲田大学人間科学部eスクール(通信制)に在学中で心理学を専攻していること、グループ卒業後、認知行動療法やカウンセリング学などを学んだことを報告した。
12月、Skypeを使ったオンラインカウンセリングサロン「モニカと私」を開設し、現在も活動中である。

オンラインカウンセリングサロン”モニカと私”

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ぶれない価値観で、独自のアイドル人生を貫き通した伊藤万理華

乃木坂46の一期生伊藤万理華は、1996年2月20日に大阪府で生まれ、その後神奈川県で育った。

父親がグラフィックデザイナー、母親は元ファッションデザイナーというクリエイター一家に生れたことで、幼少期からデザインやアートが身近にある環境であった。
4歳からバレエを習い、親の影響で小さい頃の夢はファッションデザイナー、小学校時代はダンス部で部長をしていたとブログに綴っている。

中学生になって、芸能事務所『フロスツゥー』に所属し、モデルを目指し、様々なオーディションを受験し、モデルとして活動をしたが、身長が足りず(156cm)、ファッションモデルとしての成功は望めないことに気付く。

人生の目標が定まらないまま、高校1年の夏に最後の挑戦と思って乃木坂46のオーディションに応募して合格した。

中元日芽香や衛藤美彩と同様に、過去の芸能活動が足枷となり、1st・2ndとアンダーに甘んじるが、独特の個性が評価され、3rdシングル“走れ!Bicycle”で初の選抜メンバーに選ばれた。

その後は選抜とアンダーを行き来するボーダーメンバーとなったが、5thシングル「君の名は希望」の特典映像に初のソロ曲”まりっか’17”が収録されるなど、他のメンバーとは一線を画す評価を受けていた。

特典映像の個人PVでは、再生数がメンバー中1位となるなど、ファンからも注目されるメンバーであった。

乃木坂46に入る際に、アイドル活動と両立しやすい高校に編入するメンバーが多い中、万理華は転校することを拒否して普通の高校生活とアイドル活動を両立させた。

2014年4月、芸術系の大学(非公表)に進学して、アイドル活動とクリエイターになるための学習の両立に励んだ。

2015年3月リリースの11thシングル“命は美しい”からは、選抜メンバーに定着、
その後は(15thを除いて)卒業するまで選抜メンバーを努めた。

伊藤万理華個人としては、ファッション誌『CUTiE』で「万理華の脳内」の連載(2015年3月12日~)や、グラフィックデザイン専門誌『月刊MdN』で「MARIKA MEETS CREATORS」の連載(2015年6月5日~)など、他のメンバーにはできないアート系の仕事を続けている。

初の個展「伊藤万理華の脳内博覧会」(2017年10日~15日・東京、10月21日~12月3日・京都、11月17日~12月3日・福岡)開催を目前にした10月2日、ブログにて乃木坂46から卒業することを発表した。


同年12月23日、伊藤万理華は、仙台で行われた個別握手会をもって乃木坂46を卒業した。

2018年2月20日、自身の誕生日に1st写真集『エトランゼ』を発売、
2021年に公開予定の映画“サマーフィルムにのって”で主演するなど、幅広い分野での活動を続けている。

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中元日芽香と伊藤万理華、2人の明暗を分けたものの正体

乃木坂46の同期生である中元日芽香と伊藤万理華、人気やパフォーマンススキルではほとんど差がない二人である。

なのに二人のアイドル人生は、驚くほど対照的だ。

10代前半から芸能活動を始めたこと。
それが乃木坂46に入って足枷になったこと。

ここまでは全く同じである。

最初の分かれ道は高校の選択だったかもしれない。
伊藤万理華は、同じ高校に通い続け、中元日芽香は広島から上京することになって、転校を余儀なくされてしまった。

伊藤は、芸術系の大学進学にこだわり、中元は大学進学を断念してアイドルに専念することを決断した。

普通に考えれば、伊藤は茨の道を選び、中元は王道を選んだと言える。

ところが、伊藤はその茨の道を嬉々として歩み続け、中元は自身の夢からどんどん遠ざかっていく自分に苦しむことになり、次第にメンタルを病んでいく。

この差が生まれた原因は、2人が目指したものの違いから来ている。

伊藤は自分を表現する方法の一つの手段としてアイドルになったが、中元は理想のアイドルになることに目標を置いてしまったのだ。

だから選抜メンバーになれなかったとしても、伊藤はモチベーションを失わず、今いるポジションで、自身を表現することに向き合うことができた。

一方の中元にとって、選抜メンバーから脱落することは、自身が目指す未來からどんどん遠ざかってしまうことと同義だった。

だから中元は、自信を失い、自分を見失ってしまった。

テレビ朝日のアナウンサーになった斎藤ちはるは、選抜メンバーに選ばれたのは、10th“何度目の青空か?”のたった1回きりであったが、腐らずに学業を続け、アナウンサーになる夢に向かって努力を続けて、人生を大逆転している。

中元日芽香にも選べる未来だったかもしれないと思うとやりきれない。

まさにアンダー残酷物語である。

川村真洋の卒業


2018年3月31日、メンバー中No.1の歌唱力で乃木坂46の歌姫と呼ばれ、抜群のダンススキルを誇った川村真洋が、ひっそりと乃木坂46を去った。

デビューシングル“ぐるぐるカーテン”では選抜メンバーに選ばれたが、その後8th“気づいたら片想い”で2度目の選抜入りし、その後はずっとアンダー暮らしであった。

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