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”乃木坂46の現在地”~奇跡の5期生ブーストで鮮やかに世代交代を成し遂げたアイドル界のトップランナー/坂道グループの2023年(その1)~

アイドル

巧みな乃木坂46のパブリックイメージ戦略がオーディションを成功に導いた!

あと1か月あまりで暮れようとしている2023年、秋元康総合プロデューサー系の3つの坂道グループがこれほどはっきり明暗を分けたのはとても意外であった。

世代交代に成功した乃木坂46、海外での活動を契機に新たな道を歩み始めた櫻坂46、その一方でもっとも安定した人気を誇っていたはずの日向坂46がまさかの失速をしてしまう。

2023年の坂道グループの総括であり、彼女たちにとって1年間の”通知表”でもある2023年末のNHK紅白歌合戦には、乃木坂46は9年連続での出場を果たしたが、日向坂46はデビュー以来4年間続いていた連続出場が途絶えた。

一方で昨年坂道で唯一落選して悔しい思いをした櫻坂46が見事に復活出場を果たした。

鮮やかに明暗を分けた2023年の3つの坂道グループ。

本稿では乃木坂46の2023年を振り返ってその現在地を明らかにしてみた。

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乃木坂46の2023年~世代交代に成功してアイドル界のトップランナーのポジションを守り切った3・4・5期生たち~

順調に3曲のシングルをリリースした2023年

乃木坂46は3月29日に32nd”人は夢を二度見る”、8月23日に33rd”おひとりさま天国”を、12月6日に34th”Monopoly”と3曲の表題シングルを順調にリリースした。

最後の1期生だった秋元真夏が2023年2月26日にグループを卒業、3代目キャプテン梅澤美波率いる3・4・5期生のみの新体制となった乃木坂46は、2023年見事に世代交代に成功して乃木坂46の第2章のスタートを切ることができた。

まず3月に発売された32ndシングル”人は夢を二度見る”では、最上級生となった3期生の2トップ久保史緒里・山下美月の”くぼした”コンビ、がWセンターを務めた。

33rdシングル”おひとりさま天国”のセンターには、グループに加入して1年半の5期生のエース井上和が抜擢された。

大役を任され本人は不安と戦っていたというが、堂々たるパフォーマンスで、”真夏の全国ツアー2023”の座長公演も無事に努めあげた。

34thシングル”Monopoly”のWセンターには、グループの中核を担う4期生の2トップ遠藤さくら・賀喜遥香の”かきさく”コンビが配された。

”かきさく”はともに3度目のシングルセンターで、現役メンバーでは最多である。

2023年の乃木坂46では、熟練の3期生、新進気鋭の5期生、中軸の4期生が1曲ずつセンターを務めるという実にバランスのいいリレーでバトンが繋がれ、CDセールスは30億円を超えた。

キャプテン梅澤美波は、”私たちが乃木坂46です。”(@真夏の全ツ神宮最終日)と胸を張り、山下美月は”今の乃木坂の雰囲気がすごく好きです。期の垣根を越えてみんな仲いいですし、一致団結している”とインタビューで語ってみせた。

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5期生オーディションの成功が奇跡の5期生ブーストを引き起こした

単独のアイドルグループのオーディションとしては史上最大となる8万人を超える応募者を集めた乃木坂46の5期生オーディション。

その中から選抜された5期生11名のポテンシャルは圧倒的であった。

オーディションの成功の原因は、乃木坂46がこれまで培ってきた”清楚”、”儚さ”、”美しさ”などのグループのパブリックイメージが、オーディションのターゲットに広く浸透していて、それがオーディションの応募人数に直結したことにある。

32ndシングル”人は夢を二度見る”ではいきなり5人(全20名中)が選抜メンバーに抜擢され、33rdシングル”おひとりさま天国”では6名(全20名中)が、34thシングル”Monopoly”では7名(全20名中)が選ばれ、驚異的なスピードで戦力の大きな柱となっている。

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ライブに約60万人を動員、90億円超を売り上げた

CDセールスと並んで乃木坂46ビジネスのもう一つの柱であるライブ動員の成功にも触れなければならない。

コロナ渦でも無観客ライブ(配信ライブ)でファンとの接点を繋ぎ留めてきた乃木坂46は、2023年コロナ渦の収束とともにライブ活動を活発に行なった。

2月の”乃木坂46 11th YEAR BIRTHDAY LIVE”(@横浜アリーナ)を皮切りに、4月の”32ndSGアンダーライブ”、5月の”齋藤飛鳥 卒業コンサート2days”(@東京ドーム)、7・8月の”真夏の全国ツアー2023″、9月の”33rdSGアンダーライブ”(@横浜アリーナ)、12月の5期生ライブ”超乃木坂スター誕生Live”(@代々木第一体育館)のチケットは即完売で、年間60万人を動員、90億円超を売り上げた。

乃木坂46は、至難の技と言われてきた女性アイドルグループの世代交代を鮮やかに成功してみせ、かくして乃木坂46は2023年もアイドル界のトップランナーのポジションを維持し続けたのである。

”奇跡の5期生”というギフトに支えられて、アイドル界のトップランナーのポジションはしばらくの間乃木坂46が守り続けることになると思われる。

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