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櫻坂46の多様性(Diversity)を否定する櫻エイトのジレンマ~森田ひかる・藤吉夏鈴・山﨑天センターの個性の違いが櫻坂46の未来を占う~

アイドル

”櫻エイト”の功罪と森田・藤吉・山﨑3トップ体制が目指す櫻坂46の未来

櫻エイトは超選抜クラス、アンダーメンバーとの間に深い溝が生まれる?

これまで欅坂46のシングルには表題曲とカップリング曲合わせて7曲が含まれていた。

その内訳は、全員歌唱曲が標題曲とカップリング1曲の2曲、そのほかの5曲をユニットやひらがなけやきで分け合うというバランスがとられていた。

これをメンバー別に見ると、一番歌唱曲が多いメンバーでも4曲(全員歌唱曲とユニット曲)で、少ないメンバーは全員歌唱曲の2曲のみである。

参加曲数という意味では、メンバー間の格差はそれほど大きくはない。

一方、櫻坂46の1stシングルでも曲数は7で同じだ。

しかし歌唱メンバーの配分は大きく方針が転換している。

櫻エイトに選抜された8人は、全7曲の全てに参加するのだ。

櫻エイト:森田ひかる(19)、小林由依(20)、渡邉理佐(22)、菅井友香(24)、田村保乃(21)、藤吉夏鈴(19)、山﨑天(15)、小池美波(21)の8人

この明からさまな櫻エイト推しによって、櫻坂46メンバー26人は明確に3つの階層に分けられた。

超選抜クラス:櫻エイト8人(全7曲に参加)

通常選抜クラス:表題曲3列目の6人(表題曲+カップリング2曲の3曲に参加)

アンダーグループ:カップリング曲のみ参加の12人(カップリング2曲に参加)

さらにカップリング6曲のセンターは、森田ひかると藤吉夏鈴・山﨑天の3人で2曲づつ分け合うことも明らかになった。


普通に考えれば表題曲の歌唱メンバーに選ばれた14人は選抜メンバーであり、櫻坂46は運営の念願だった選抜制を導入したというのが大方の受け止め方である。

ところが運営は今回のシステムは選抜制ではないし、14人も選抜メンバーではないと主張している。

それは14人の中に新たな格差を持ち込んでしまったからである。

櫻エイトの8人は、1stシングルの全ての楽曲での1列目と2列目が約束されている超エリート選抜メンバーなのだ。

運営は櫻坂46の未来を櫻エイトに託したのである。

メディアのプロモーションでもこの8人を推していくことになるのだろう。

櫻エイトシステムの一番の狙いは、櫻坂46のスタートの重圧を、標題曲センター森田ひかる一人に背負わせるリスクを減らすことだ。

欅坂46のロケットスタートは、最年少センター平手友梨奈にカリスマ性があったからこそ実現した。

それと同じことを森田ひかるに期待すれば、森田を潰すことになると運営はわかっている。

メディアの注目を櫻エイトに集めれば、相対的に森田の負担は軽くなり、森田のプレッシャーは軽減される。

事実森田ひかるの表題曲センターに対する批判は、彼女自身の魅力もあるが、予想以上に少ない。

そういう意味で運営の狙いは一定の成果を上げている。

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一方で櫻エイトシステムは前述のように、櫻坂46メンバー26人に明らかな格差を生んでいる。

櫻エイトの8人には運営によって強力なプロモーションが行われ、メディアの注目が集まりかつてのAKB全盛期の”神7”のような超選抜メンバーとして扱われるだろう。

一方で、標題曲の歌唱メンバーに選ばれながら、櫻エイトから漏れた6人は、とても中途半端で微妙なポジションに置かれることとなる。

乃木坂46ならば表題曲歌唱メンバーは選抜メンバーであり、明らかな一軍レギュラーメンバーだ。

だが櫻坂46ではその上位概念として”櫻エイト”があり、自分たちは一軍ではない。

いってみれば1.5軍のようなポジションなのである

こういう思いが次の表題曲で櫻エイトを目指すモチベーションに繋がればよいのだが、それは言うほど簡単なことではない。

さらに、標題曲に参加できなかった12人は、明らかなアンダーメンバーである。

乃木坂にはアンダーメンバーが多数いて、アンダーライブも、期別ライブも開催された実績がある。

アンダーメンバーにも舞台出演やネット番組への出演チャンスも与えられてきた。

しかし、内部の混乱で、グループ活動以外の仕事がほとんどなくなってしまった櫻坂46には、アンダーメンバーに振り分けられるリソースは皆無である。

つまり12人はほとんど活動休止状態に追い込まれるのだ。

これではモチベーションの維持は非常に難しいだろう。

未来が見えないアンダーメンバー、とくに1期生は脱落していく可能性が否定できない。

櫻エイトが生む闇は深い。

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ユニット曲”ゼロ”は多様性の放棄?~森田センター・藤吉センター・山﨑センターがそれぞれ個性を出せるかが勝負~

1stシングルでは、全7曲のすべてが14人での歌唱曲である。

いまだその詳細はわからないが、1stシングルには、これまでのカップリング曲にあった、少人数ユニットによる楽曲は一つもない。

これまで欅坂46のシングルでは、標題曲とは異なる世界観のユニット曲が収録され、グループとしての多様性をかろうじて維持してきた。

だが櫻坂46の1stシングルにはユニット曲は一つもない。

そしてセンターこそ変われど、1列目2列目は同じ顔触れが並ぶことになる。

その中で、櫻坂46はグループとしての多様性”Diversity”をどう担保するのか。

それを担うのが、森田ひかるセンターであり。藤吉夏鈴センターであり、山﨑天センターなのである。

この3人の個性の違いを、いかに魅力的にファンにアピールできるか?

そこが櫻エイト成功の鍵を握っている。

これは大きな賭けだ。

森田ひかるや藤吉夏鈴・山﨑天が、三者三様の際立つ個性を魅せられるかどうかに櫻坂46の多様性の可能性がかかっている。

一体どんな楽曲が3人に与えられるのか興味深い。

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