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孤立化深まる松本人志氏の現在~松本氏を中心としたスポンサー・放送局・吉本興業のパワーバランスに変化の兆し

芸人


松本氏を中心としたスポンサー・放送局・吉本興業のパワーバランスが急激に変化している

孤立化が深まる松本人志氏

2023年末の松本氏の性加害疑惑についての週刊文春報道以来、松本氏を中心としたスポンサー・放送局・吉本興業のパワーバランスが急激に変化しつつあることが明らかになった。

加速する松本人志のスポンサー離れ

文春砲に直ちに反応したのは松本氏が出演する年末特番“人志松本の酒のツマミになる話 2時間スペシャルin福岡”(フジテレビ系・12月29日放送)のスポンサーであるアサヒビールとサントリーという、いわゆるナショナルクライアントと呼ばれるビッグスポンサー2社であった。

この2社はCM放映はしたものの、提供クレジット表示を取りやめた。

その経緯について、アサヒビールの松山一雄社長は1月10日に開いた事業方針を説明する記者会見で

人権に関する基本方針に照らし、その都度最も適切な対応を取っていかなければならない

と語っている。

1月4日放送の”ダウンタウンDX”(日本テレビ系)などでは複数のスポンサーが番組へのCM出稿を取りやめ、その穴埋めとしてAC(公共広告機構)のCMが放映された。

さらに1月12日放送の”人志松本の酒のツマミになる話”では提供欄に企業名が1つも表示されなかった。

アサヒビール、サントリー、アコムはこの日までに、スポンサーとしての社名表示を取りやめたことを明らかにしている。

フジテレビはこの日までに、収録済みのものは放送すると発表しており、この日の放送は松本も出演した。

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吉本興業と松本氏や放送局と松本氏との距離感にも変化の兆し

12月27日、松本氏が所属する吉本興業は、松本氏を完全擁護する声明を発表、松本氏への聞き取り調査すら行なわない徹底擁護ぶりの素早い反応であった。

その後、松本氏は文春記事は事実無根と反論、徹底抗戦の構えを見せる。

ところが年が明け、文春砲の第2弾が報じられるとわかると、一転して1月8日に松本人志氏の芸能活動を一時休止することを発表したのである。

その理由について吉本興業は、

週刊誌に掲載された記事に対する当社の認識は、既にコメントを出しているとおりでございます。
しかしながら、その後、当社及び松本だけでなく、お取引先を含めた関係者の皆様に対しても問い合わせ等が相次ぎ、松本のテレビ出演を巡る記事が度々掲載されるなどしておりますところ、このたび、松本から、まずは様々な記事と対峙して、裁判に注力したい旨の申入れがございました。
そして、このまま芸能活動を継続すれば、さらに多くの関係者や共演者の皆様に多大なご迷惑とご負担をお掛けすることになる一方で、裁判との同時並行ではこれまでのようにお笑いに全力を傾けることができなくなってしまうため、当面の間活動を休止したい旨の強い意志が示されたことから、当社としましても、様々な事情を考慮し、本人の意志を尊重することといたしました。
とその理由を説明している。

文春サイドによれば、松本氏と吉本興業に対して、第2報の記事内容を示し、回答を求めたところ、返事はなく、問い合わせから数時間後に、突然松本氏の芸能活動一時休止の発表がなされたという。

これに慌てたのは、松本氏をメインキャストとして放送中の人気番組を抱えている民放各社であった。

吉本興業と松本氏は芸能活動休止の発表にあたって、民放各社との事前調整をまったくおこなっていなかったのである。

これまでの吉本興業の全面否定声明や、松本氏のXでの対応から、民放各社は多くのメディアや視聴者と同様、松本氏が芸能活動を継続しながら、全面的な法廷闘争を展開するのではないかと考えていたので、松本氏の芸能活動休止は、まさに青天の霹靂であった。

民放各社は対応に追われ、1月11日に収録される予定だった”ダウンタウンDX”(日本テレビ系)は急きょ収録が中止となり、また”人志松本の酒のツマミになる話”(フジテレビ系)も松本氏が不在のままで収録が行なわれた。

一方で、”水曜日のダウンタウン”は、1月10日通常通りの放送が行なわれている。

ただしこれは時間的余裕という物理的な問題で、番組側の対応ができなかったということだろう。

来週の放送がどうなるかは未定である。

その他の松本氏出演の番組も今後の放送についての緊急対応を検討している。

松本氏は、X上で

事実無根なので闘いまーす。
それも含めワイドナショー出まーす。

とポスト、かつて出演していた“ワイドナショー”への出演を示唆した。

フジテレビもいったんは1月14日放送の“ワイドナショー”への松本氏の出演を認めた。

その後松本氏は、“ワイドナショー”への出演に関して、

ワイドナショー出演は休業前のファンの皆さん(いないかもしれんが💦)へのご挨拶のため。顔見せ程度ですよ。

とトーンダウンしてしまう。

おそらくフジテレビから“ワイドナショー”の出演に際して、文春記事についての発言を封じられたか、何らかの制限をかけられたであろうことがうかがえる。

その後も松本氏・吉本興業・フジテレビの協議が続けられたが、ついに合意に至らず、1月10日、フジテレビはスポーツ紙の取材に答えて、一旦は決めていた松本人志氏の”ワイドナショー”(1月14日放送)への出演が取りやめになったと発表したのである。

これは、松本氏と放送局、吉本興業と放送局のパワーバランスに明らかな変化が起きていることの証左だ。

松本氏がMCを努める番組では、ゲストを出演させる際にお伺いをたてるのは当たり前、局から帰るときには制作局の幹部社員とスタッフが総出でお見送りするなど、テレビ業界においては絶対的な王様だった。

だがそんな松本氏の栄華も永遠ではなかった。

長い間松本氏の言いなりだった番組制作者たちも、会社本体のコンプライアンス最優先の方針に従わざるを得なくなったのである。

長い間、民放各局に強力な影響力を行使してきた松本氏だったが、文春の暴露記事によって、今や”裸の王様”になりつつある。

吉本興業と松本人志氏との関係に明らかな変化が、松本氏は引退へ一直線!

さらに、松本氏にとって最後の味方であるはずの吉本興業との関係にも変化の兆しが見え始めた。

ワイドナショーへの松本氏の出演調整の際の吉本興業とフジテレビの協議に際して、ある吉本興業の幹部は、朝日新聞の取材に、

こういう状況で松本本人が『出る』といっても、制作側は演出の仕方も難しいだろう。
一方的な主張をすると取られるとBPO(放送倫理・番組向上機構)で問題にされる可能性もある。こういう結論になったのは必然では

と答えたという。

明らかに松本氏に対して第三者的になっているのだ。

さらにこの幹部は、

裁判になった場合、松本が個人で提訴する形になるだろう。吉本は会社としてサポートするが、側面支援という形だ

と明かしている。

2024年1月12日、芸能レポーターの島田薫氏がABCテレビ”news おかえり”に出演、吉本興業へ取材した結果として次のように語った。

”飲み会自体はあった。”
”そういう行為”もあったが、それは強要したものではなく、いわゆる同意があった”
というのが現在の吉本興業の立場。
無理やり何かしたというわけではないということなので、裁判では今後、そこが争われて行くことになる。

と争点を説明した。

松本氏による”そういう行為”を所属事務所の吉本興業が認めてしまったことで、今後松本氏をテレビ番組に出演させることはほぼ不可能になってしまった。

フジテレビ以上に、自分の言うことをきいてくれるはずの吉本興業から、見事に梯子を外されあのだ。

もとより人一倍プライドが髙い松本人志氏が、自ら裁判を提起して、自らの破廉恥事案を法廷に持ち込んで、その事実の真偽を世間に晒して争うとは思えない。

松本氏の性加害疑惑を報じた文春記事を巡る騒動で”裁判”は起らず、このまま時間だけが経過して、なし崩し的に松本氏の芸能界引退に向かう公算が高い。

お笑いの帝王松本人志の栄光の日々が終ろうとしている。

松本人志氏、文芸春秋社と週刊文春編集長を提訴

松本人志氏が、性的行為強要の疑惑を報じた週刊文春の発行元である文藝春秋社と週刊文春の編集長を相手取って、名誉毀損による損害賠償と訂正記事による名誉回復を求めて、提訴したことを所属する吉本興業が22日、公式サイトで発表した。

2024.01.22
当社所属タレント 松本人志に関するお知らせ
当社所属タレント 松本人志の代理人弁護士より、本日、令和5年12月27日の一部週刊誌報道に関し、訴訟を提起した旨の連絡を受けましたので、お知らせ致します。

本件につきましては、係争中の案件となりますので、当社にお問い合わせいただきましてもお答えいたしかねます旨、予め申し添えさせていただきます。

以下、松本人志の代理人によるコメント全文を記載いたします。

提訴のお知らせ

本日、松本人志氏は、株式会社文藝春秋ほか1名に対して、令和5年12月27日発売の週刊文春に掲載された記事(インターネットに掲載されている分も含む)に関し、名誉毀損に基づく損害賠償請求及び訂正記事による名誉回復請求を求める訴訟を提起いたしました。

今後、裁判において、記事に記載されているような性的行為やそれらを強要した事実はなく、およそ「性加害」に該当するような事実はないということを明確に主張し立証してまいりたいと考えております。

関係者の皆様方にはご心配・ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

松本人志氏 代理人
八重洲総合法律事務所
弁護士 田代政弘

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吉本興業、松本人志さん週刊誌報道で「お詫び」 ”事実無根”から一転「当事者含む関係者に事実確認中と発表

当初所属タレントである松本人志氏を、徹底擁護する姿勢を見せていた吉本興業だったが、コンプライアンスアドバイザーとして招いた外部弁護士と有識者からなる”ガバナンス委員会”(2023年7月設置)が1月23日に開催され、次のような指摘を受けたことを明らかにした。

所属タレントが提訴した訴訟の経過も注視しつつ、事実確認をしっかり行った上で、何らかの形で会社としての説明責任を果たす必要がある。
当初の『当該事実は一切なく』との会社コメントが世間の誤解を招き、何を指しているのか不明確で混乱を招いたように思う。時間がない中での対応とはいえ、今後慎重に対応すべきである。

これを受けて1月24日、公式HP上で以下の発表をおこなった。

2024.01.24
週刊誌報道等に対する当社の対応方針について
昨年末以来の当社所属タレントに関する様々な報道により、ファンの皆様及び関係先各位に多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことをまずもって心からお詫び申し上げます。
今般、私的行為とはいえ、当社所属タレントらがかかわったとされる会合に参加された複数の女性が精神的苦痛を被っていたとされる旨の記事に接し、当社としては、真摯に対応すべき問題であると認識しております。
当社は、これまでもコンプライアンスの徹底・ガバナンスの強化に取り組んでまいりましたが、とりわけ昨年7月以降は、事業整理・組織改編と共に、社外有識者を交えたガバナンス委員会を設置し、複数の外部弁護士をコンプライアンスアドバイザーとして招聘するなど体制を整備して、様々な事案について指導・助言を仰ぎながら、コンプライアンスの周知徹底及びガバナンスの強化に努めてまいりました。
現在、当社におきましては、コンプライアンスアドバイザーの助言などを受けながら、外部弁護士を交えて当事者を含む関係者に聞き取り調査を行い、事実確認を進めているところです。
そして、昨日開催されたガバナンス委員会において、これまでの経緯及び現状等を報告したところ、「所属タレントが提訴した訴訟の経過も注視しつつ、事実確認をしっかり行った上で、何らかの形で会社としての説明責任を果たす必要がある。」「当初の『当該事実は一切なく』との会社コメントが世間の誤解を招き、何を指しているのか不明確で混乱を招いたように思う。時間がない中での対応とはいえ、今後慎重に対応すべきである。」等の厳しい指摘を受けるとともに、今後、タレントのみならず、全てのグループ会社を含めた当社社員に対しても、改めて個人の尊厳に対する意識を高め、日常におけるハラスメントを防止するための教育・研修を実施していく必要があるとの意見を承りました。
もとより、当社におきましては、様々な差別・ハラスメントは重大な人権侵害であり、到底許されるものではないとの認識に基づき、吉本興業グループ行動憲章の中で「人権の尊重」「法令等の遵守」を掲げ、社員及び所属タレントに対して同憲章の周知徹底を図ってきているところです。
今後、当社といたしましては、引き続き、コンプライアンスアドバイザーの指導等を受けながら事実確認を進め、その中でコンプライアンスの指導・教育を行っていくとともに、ガバナンス委員会からのご意見等を踏まえ、個人の尊厳・人権の尊重という基本的な理念について改めて教育の場を設け、ハラスメント等に対する意識を高める研修を実施してまいりたいと考えております。
こうした取組みを継続することで、ファンの皆様及び関係先各位からの信頼を取り戻してまいりたいと存じますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

タレント擁護の姿勢を見直し、コンプライアンス重視に舵を切ったように見える。

松本氏と吉本興業の蜜月関係に変化の兆しが見え始めた。

松本人志氏(ダウンタウン)芸能活動一時休止の衝撃!~裁判は行なわれず、なし崩し的に松本氏の芸能界引退に繋がる公算が高いと思われる理由~
松本人志氏(ダウンタウン)芸能活動一時休止の衝撃!2023年12月26日に配信された週刊文春電子版が、“松本人志と恐怖の一夜――呼び出された複数の女性が告発”という見出しのスクープ記事(有料)を配信した。2015年、東京六本木の高級ホテル“...

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