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松本人志氏(ダウンタウン)芸能活動一時休止の衝撃!~裁判は行なわれず、なし崩し的に松本氏の芸能界引退に繋がる公算が高いと思われる理由~

芸人

松本人志氏(ダウンタウン)芸能活動一時休止の衝撃!

2023年12月26日に配信された週刊文春電子版が、“松本人志と恐怖の一夜――呼び出された複数の女性が告発”という見出しのスクープ記事(有料)を配信した。

2015年、東京六本木の高級ホテル“グランドハイアット東京”の一泊30万円とされるスイートルームに、松本人志氏が、後輩芸人を使って複数の女性を誘い、いかがわしい行為に及んだというもの。

松本氏に性的関係を迫られた女性は後日、PTSDを発症したと証言している。

昨年、故ジャニー喜多川氏の性加害問題が表面化したのを機に、“8年後の告発”に踏み切ったのだとしている。

文春記事による“お笑い界の帝王“に君臨する松本人志氏に対する性加害疑惑の告発に、芸能界やマスコミには激震が走った。

文春の記事内容がそのまま事実であれば、ジャニー喜多川氏の性加害問題に匹敵するスキャンダルであり、松本氏がこのままテレビ出演やCM出演を続けることはほぼ不可能になるからだ。

松本人志氏の芸能活動一時休止の影響

松本氏は2023年12月現在、”クレイジージャーニー”(2015年~2019年、2022年10月~ 、TBS)、”探偵!ナイトスクープ”(2019年11月29日~、朝日放送テレビ)、”人志松本の酒のツマミになる話”(2021年4月2日~、フジテレビ)、”まつもtoなかい”(2023年4月30日~、フジテレビ)など多数の人気レギュラー番組にMCや主要キャストとして出演している。

この文春記事での影響はすでに出ており、12月29日に放送された”人志松本の酒のツマミになる話 2時間スペシャルin福岡”(フジテレビ系)ではアサヒビールとサントリーというビッグスポンサー2社が提供表示を外し、1月4日放送の”ダウンタウンDX”(日本テレビ系)などでは複数のスポンサーが番組へのCM出稿を取りやめ、その穴埋めとしてAC(公共広告機構)のCMが放映されたことが話題になっている。

その経緯について、アサヒビールの松山一雄社長は1月10日に開いた事業方針を説明する記者会見で
人権に関する基本方針に照らし、その都度最も適切な対応を取っていかなければならない
と語った。(日本経済新聞1月10日配信記事より)

サントリーは
報道状況を総合的に判断した。今後については現時点で決まっていることはない
としている。

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吉本興業の反応

この緊急事態に松本氏が所属する芸能事務所“吉本興業”は、文春砲の翌日の2023年12月27日、自社のHP上で以下のような声明を発表した。

2023.12.27
一部週刊誌報道について
本日発売の一部週刊誌において、当社所属タレント ダウンタウン 松本人志(以下、本件タレント)が、8年前となる2015年における女性との性的行為に関する記事が掲載されております。

しかしながら、当該事実は一切なく、本件記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損するものです。当社としては、本件記事について、新幹線内で執拗に質問・撮影を継続するといった取材態様を含め厳重に抗議し、今後、法的措置を検討していく予定です。

ファン及び関係者の皆様には大変ご心配をおかけする記事内容でしたが、以上のとおり本件記事は客観的事実に反するものですので、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

しかしマスコミ各社の取材によって、吉本興業がこの声明を発表するにあたって、松本氏本人には一切聞き取り調査を行ってはいないことも明らかになっている。

そのことは、吉本興業が言う“事実無根“という主張に根拠がないということと同義である。

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アテンド役の後輩芸人”O”とは誰か?

そして当該“イベント”(?)に女性を集めてホテルに呼ぶといういわゆる”アテンド役”を務めた頭文字“O”の後輩芸人は、お笑いコンビ『スピードワゴン』小沢一敬氏であることが特定された。

文春砲の影響は当然小沢氏にも及んだ。

小沢氏がMCとしてキャスティングされていたNHKのバラエティー番組“言葉にできない、そんな夜。”(NHK・Eテレ、2024年1月3日午後10時45分から放送予定だった)が放送見合わせとなった。

NHKは放送前日の2024年1月2日、《該当番組は、編成上の都合により、放送を見合わせることにいたします》と発表。今後の放送予定も未定としている。

さらに小沢氏が司会を務める中京テレビの情報バラエティー番組「前略、大とくさん」(日曜・午前9時55分~)が1月7日に放送されたが、小沢の出演はなかった。

小沢氏が所属するホリプロコムは先月27日、松本が所属する吉本興業が公式サイトで「週刊文春」報道を否定した際には、取材に答えて
”私どもからお話しすることはございません”
としている。

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松本人志氏の反応

2023年12月28日、松本氏はXアカウントにて、次のように反応した。

さらに

しかし騒動は一向に収束に向かう兆はなく、記者会見も開かず、正面から反論しようとしない松本氏の煮え切らない態度に世間の批判も多くなってきている。

多数の松本氏出演の人気番組を放送している放送局各社もじりじりしながら事態の推移を見守っている。

そんな中衝撃的なニュースが駆け巡った。

松本人志氏 芸能活動一時休止を発表!

2024年1月8日、吉本興業はHP上で、松本人志氏の芸能活動を一時休止することを発表する。

2024.01.08
松本人志の今後の活動に関するお知らせ
当社所属タレントである松本人志(以下、松本)につきまして以下のとおりご報告いたします。

はじめに、昨年12月27日以降の様々な報道により、関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けし、また、いつも応援してくださっている皆様に対し、大変なご心配をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます。

同日発売の週刊誌に掲載された記事に対する当社の認識は、既にコメントを出しているとおりでございます。

しかしながら、その後、当社及び松本だけでなく、お取引先を含めた関係者の皆様に対しても問い合わせ等が相次ぎ、松本のテレビ出演を巡る記事が度々掲載されるなどしておりますところ、このたび、松本から、まずは様々な記事と対峙して、裁判に注力したい旨の申入れがございました。そして、このまま芸能活動を継続すれば、さらに多くの関係者や共演者の皆様に多大なご迷惑とご負担をお掛けすることになる一方で、裁判との同時並行ではこれまでのようにお笑いに全力を傾けることができなくなってしまうため、当面の間活動を休止したい旨の強い意志が示されたことから、当社としましても、様々な事情を考慮し、本人の意志を尊重することといたしました。

突然の活動休止となり、放送局をはじめ関係者の皆様には大変なご迷惑をお掛けすることとなり誠に申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

そして、松本の出演等を楽しみにしてくださっているファンの皆様には更なるご心配をおかけすることとなり誠に申し訳ございませんが、再びダウンタウン松本人志として活動する日をお待ち下さいますようお願い申し上げます。

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この突然の発表に、マスコミ各社は対応に追われることとなってしまった。

多くのメディアや視聴者は、これまでの吉本興業の全面否定声明や、松本氏のXでの対応から、現在の芸能活動を継続しながら、全面的な法廷闘争を展開するのではないかと考えていた。

その予想は大きく外れ、一転”松本氏の芸能活動一時休止”という事態に至ったのである。

1月8日、松本氏はX上に次のようにポストした。

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予想される今後の展開

1月8日のポストによって、松本氏はかつて自身がMCを務めていたフジテレビの人気番組”ワイドナショー”に出演して自身の考えを発信するつもりなのだと思われる。

ただこの”ワイドナショー”への出演については、フジテレビがすでに了承しているわけではなく、松本氏が一方的に発言しているに過ぎない。

松本氏が考えているほどワイドナショーへの出演は簡単ではない。

昨今の情勢から、コンプライアンスに過敏になっているフジテレビが、性加害疑惑という非常にセンシティブな問題で、一方の当事者(しかも加害者側)である松本氏の主張だけを放送することを問題視することは想像に難くない。

ここでも自身が望めば簡単に古巣の番組に出演できると考えている松本氏の傲慢さが垣間見える。

フジテレビが松本氏の出演を了承したとしても、もう一方の当事者である週刊文春ないしは当該女性の主張も、等分に取り上げることになる可能性が高い。

松本氏との事前の調整が必要となるだろうし、そういう調整を松本氏は拒否する可能性もある。

松本氏が思っている以上に事態は彼に不利な状況なのだ。

2023年1月9日、松本氏はXに次のようなポストを投稿した。

ワイドナショー出演について、ワイドナ側との調整が簡単ではないことがわかる発言である。

 

松本人志氏、1月14日の”ワイドナショー”出演取りやめに!

 

2024年1月10日、フジテレビはスポーツ紙の取材に答えて、一旦は決めていた松本人志氏の”ワイドナショー”(1月14日放送)への出演が急遽取りやめになったと発表した。

フジテレビと吉本興業が協議した結果を受けて、フジテレビが総合的な判断として松本の出演を取りやめtたという。

長い間、民放各局に強力な影響力を行使してきた松本氏だったが、文春の暴露記事によって”裸の王様”になりつつある。

松本氏が、自身の考えを発信できるメディアは、もはやSNSしか残されていないのかもしれない。

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松本人志性加害疑惑は法廷に持ち込まれるのか?

吉本興業は声明の中で、
まずは様々な記事と対峙して、裁判に注力したい旨の申入れが(松本氏より)ございました。
(中略)
裁判との同時並行ではこれまでのようにお笑いに全力を傾けることができなくなってしまうため、当面の間活動を休止したい旨の強い意志が示されたことから、当社としましても、様々な事情を考慮し、本人の意志を尊重することといたしました。
としている。

しかし1月9日現在、松本氏の性加害疑惑についての裁判は存在していない。

この“裁判“とは一体何を指すのか?

このことがまさにこのスキャンダルの要点だ。

この問題にで裁判が提起されるとすれば、2つの形が考えられる。

まず第一は松本氏が原告となって週刊文春や、当該女性を被告として名誉棄損や損害賠償を求める裁判である。

もう1つは、当該女性が松本氏を被告としてPTSDを発症したなどとして慰謝料を請求するとか、性被害について不同意性交などで松本氏を訴える刑事・民事裁判である。

しかしいずれの裁判も提起される可能性はかなり低いと思われるのだ。

松本氏が原告となる裁判では、ホテルで行われたとされる出来事の事実認定が焦点となる。

松本氏側は、出来事そのもの存在を否定するか、あるいは出来事は行なわれたがそこで起こった事は同意の上であったと主張するはずである。

しかし、裁判で出来事の詳細が明らかになれば、たとえそれが合意の上でのことであったとしても、その事実が既婚者で年頃の娘もいる松本氏のタレントイメージを大きく損なうことになることは容易に想像がつく。

プライドが人一倍高い松本氏にとって、裁判でさらなる不都合な事実が世間に晒されることは耐え難い屈辱だと考えて」いるはずだ。

だから、松本氏が告発女性たちや週刊文春を相手取って、損害賠償請求訴訟を提起することは考えにくい。

他方被害女性側でも事情はよく似ている。

性被害を法廷で明らかにするのは女性にとってセカンドレイプとなってしまうことが多い。

今回の件でも事情は同じであろう。

被害女性は裁判でいくばくかの慰謝料を得るより、加害者だとする松本人志氏に社会的制裁がくだされることを望んでいる。

週刊文春と言う強力な後ろ盾をフルに利用して、松本氏に社会的ダメージを与えることが最大の目的なのだ。

松本氏の芸能活動一時休止が長引いて、そのままなし崩し的に芸能界引退となれば十分に目的は達成したと思うだろう。

週刊文春も、時間と手間がかかる裁判などは望んでいない。

どちらの裁判となっても事実認定は非情に困難で、裁判は長引く(一審だけで1年、最高裁まで争えば5年はかかる)公算が高く、双方にとってメリットは少ない。

これらを総合的に考えると、裁判はどこからも提起されないまま時間が推移し、松本氏の芸能活動休止が長引いて、なし崩し的に芸能界引退となってしまうというシナリオが最も現実的だ。

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松本氏を巡るスキャンダルは、法廷に持ち込まれることなく推移し、なし崩し的に松本人志氏の芸能界引退に繋がる公算が高い~

松本氏は”裁判に全力で対峙するために芸能活動を一時休止する”と表明しているが、それは一種のポーズであり、週刊文春や女性側への牽制である。

今後の週刊文春と女性の出方を、息をひそめて見守っているというのが本音だろう。

女性側にとっては、今回の“松本氏の芸能活動休止”は”望外の結果”だと思われる。

松本氏の芸能活動休止が長引けば長引く程、復帰の難しさは等比級数的に大きくなり、芸能界引退と同じ結果を生む。

すでにビッグマネーを手にしている松本氏に芸能界引退してもその後の生活に不安はない。

一方、放送局にとって松本氏の芸能活動休止は一時的には大きなダメージだが、スポンサー対策やコンプライアンス面を考えれば問題の長期化を避けられるというメリットもある。

それらを考えると松本氏を巡るスキャンダルは、法廷に持ち込まれることなく推移し、なし崩し的に松本人志氏の芸能界引退に繋がる公算が高い。

お笑い界のガリバー企業である吉本興業では、2011年に当時お笑い界のトップに君臨していた同社のNo.1タレント島田紳助氏が反社勢力との繋がりを理由に芸能界からの引退を余儀なくされた。

島田氏は、記者会見を行い、反社勢力との交際を認めた上で、潔く芸能界を引退している。

それに比べると事実無根と主張しながら記者会見を開かない松本氏の態度は矛盾しているように見えるし、何より見苦しい。

島田紳助氏の騒動から13年、今回も吉本興業のNo.1タレントが”性加害疑惑”というセンシティブな問題で引退の瀬戸際に立たされている。

同社のガバナンス能力はまったく機能していないように見える。

ダウンタウンとして相方の浜田雅功氏と共に、長らくお笑い界の頂点に君臨している松本人志氏の栄光の終焉が近づいている。

追記:ホリプロコムが小沢一敬氏の芸能活動継続を発表

2023年1月9日午後、小沢一敬氏が所属する芸能事務所”ホリプロコム”がHP上で次のような声明を発表した。

ご報告
皆様におかれましてはご心配をお掛けし、大変申し訳ございません。
スピードワゴン小沢一敬はこれまで通り活動を続けてまいります。
なぜならば、小沢の行動には何ら恥じる点がないからであります。
一部週刊誌の報道にあるような、特に性行為を目的として飲み会をセッティングした事実は一切ありません。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
株式会社ホリプロコム

ホリプロコムと吉本興業が文春記事への対応について話し合いを傘ね、すり合わせができたということなのだろう。

これでホリプロコムと吉本興業、松本人志氏と小沢一敬氏は運命を共にすることとなり、文春との全面対決の構図ができあがった。

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