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平手友梨奈が欅坂46夏の全国アリーナツアー東京ドームファイナルのアンコールで涙で感謝を語った理由~3rdアニバーサリーライブ大阪と武道館を経ての夏の全ツ東京ドームファイナルまでの軌跡~

アイドル

平手友梨奈不在で始まり、東京ドームファイナルでの完全復活で完結した夏の全国アリーナツアー2019

2019年8月16日宮城・ゼビオアリーナ仙台を皮切りに、横浜、大阪、福岡、東京と全国5都市で行われた欅坂46夏の全国アリーナツアー2019が、9月19日の東京ドーム公演をもって幕を閉じた。

5都市合計延べ12日間、全国208,000人の欅坂46ファンを熱狂の渦に叩き込んだ伝説のアリーナツアーは、東京ドーム最終日のWアンコールで、公式には未発表の平手友梨奈主演映画響-HIBIKI-のエンディングテーマ“角を曲がる”をソロ歌唱するという予想外の結末で観客を驚かせた。


平手友梨奈の負傷が長引き、平手不在で始まった欅坂46夏の全国アリーナツアー2019は、8月27日の大阪城ホール公演で、ラスト曲避雷針のみ平手友梨奈が参加するというサプライズ演出を経て、9月18・19日の東京ドームファイナルで、平手友梨奈が完全復活するという劇的な展開を見せた。

当初、平手友梨奈不在の全国アリーナツアーを、平手以外のメンバーたちがどう乗り切っていくのかに注目が集まった全国アリーナツアーだったが、一期生をしのぐポテンシャルを持つと言われる二期生9名を加えたメンバーの戦闘力は一段と強力となり、その不安を吹き飛ばした。

平手不在という危機感が、メンバーたちのモチベーションを高め、ツアー前半の宮城・横浜公演はファンの期待に十分応えられる仕上がりとなったのである。

8月27日から始まった大阪公演で、平手は本編最後の曲“避雷針”で1曲のみのサプライズ出演を果たし、それだけでファンを熱狂させた。

平手友梨奈は、1曲のみの出演を福岡公演でも続けるが、平手のパフォーマンスは、怪我の回復とともに、明らかにキレを増し、東京ドームファイナルでの完全復活への期待がどんどん膨らんでいく。

そして9月18日東京ドームファイナルの初日を迎える。

使われなくなったジェットコースターの破片やいくつもの車が無造作に積まれたメインステージに最初に登場したのは、怪我のためツアーへの参加は一部楽曲のみとなっていた平手友梨奈。

歓声が広がると同時に彼女が歩きだすと、道端の電飾に明かりがつきはじめる。

彼女の一挙一動を見逃すまいと観客が見守る中、平手はステージ上段に置かれたピアノの前へ。

彼女が一音を鳴らしたのを合図に「OVERTURE」がドームいっぱいに鳴り響き、5万人の大合唱と共にライブの幕が上がった。

その後平手友梨奈は、本編の全20曲中13曲でセンターを務め、Wアンコールでの感動のソロ曲披露へつなげ、まさに完全復活を遂げた。

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伝説となった欅坂46夏の全ツ2019東京ドームファイナル

平手友梨奈が関与しなかった3rdアニラ大阪公演のセットリスト

欅坂46は、夏の全国アリーナツアーに先立つこと4か月、2019年4月4・5・6の3日間大阪フェスティバルホール、5月8・9の2日間日本武道館で、欅坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVEを行った。


この時期欅坂46は、グループの方向性の迷走がメンバーのモチベーションの低下を招き、危機的な状況にあった。

主要メンバーだった今泉祐唯の卒業について、メンバー間の確執が取り沙汰され、多くのメンバーが傷ついた。

さらに自身のアイドルとしての限界を感じ、グループに参加し続けるモチベーションを失った長濱ねるも、遂に卒業を発表してしまった。

そんな最中に行われた欅坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVEの大阪公演。

その演出とセットリストの決定について、これまで積極的に関与してきた平手友梨奈が外れることとなった。

その経緯について、4月30日に発売された音楽誌ROCKIN’ON JAPAN(6月号)のインタビューで
自分とグループのために一度、自身がステージに立つ以外は関わらないライブをやらなくてはいけないと考えていた。
と平手友梨奈自信が語っている。

平手が演出や制作に関わらなかったのは、2ndアニラ以降でこの大阪3rdアニラがほぼ初めてである。

その結果、大阪公演のセットリストは、デビューシングルサイレントマジョリティで始まり、2nd世界には愛しかない、3rd二人セゾンと続く欅坂46の創世期をなぞるラインナップで、渋谷川百年待てばなど、ソロ・ユニット曲も多く披露される、言わばオーソドックスなアイドルグループのアニバーサリーライブとなった。

セットリストからは、欅坂46のアイデンティティの核心である、黒い羊・避雷針・ガラスを割れ!・不協和音といった欅坂のダークサイド曲が排除された。

その結果、皮肉にも欅坂らしからぬ多幸感に満ちたライブとなったのである。

(大阪公演セットリスト)
M0:overture
VTR(KEYAKI TV)
M1:サイレントマジョリティー
M2:世界には愛しかない
M3:二人セゾン
MC①
VTR(SUPER KEYAKIZAKA46 SISTERS)
M4:音楽室に片想い
M5:僕たちの戦争
VTR(KEYAKI STATION・守屋)
M6:渋谷川(小林ソロ)
VTR(平手)
M7:Nobody
VTR(欅クイズ選手権・織田)
VTR(聖・ケヤキ学園・菅井、守屋・上村、尾関、小池、鈴本)
M8:手を繋いで帰ろうか
M9:制服と太陽
二期生自己紹介~
MC②(二期生)
VTR(KEYAKI COLLECTION ・小林、土生、渡辺、渡邉)
M10:誰のことを一番 愛してる?
M11:東京タワーはどこから見える?
M12:結局、じゃあねしか言えない
VTR(グッズ紹介:ほとけーずチャンネル・長沢、長濱、渡辺)
VTR(欅建設・石森、織田、齋藤、佐藤、土生)
M13:ごめんね クリスマス
M14:ヒールの高さ
M15:100年待てば(ねる、他全員バックダンサー)
VTR(KEYAKI TV 3年間の歴史を振り返る)
M16:アンビバレント
M17:風に吹かれても
アンコール
EN1:シンクロニシティ(平手センター)
MC③
EN2:危なっかしい計画
VTR(ケヤキニュース・織田)

*ダブルアンコール(4月6日のみ)
W-KEYAKIZAKAの詩

さまざまな方法で欅坂46のアイデンティティをお届けしたい、欅坂46のメンバーによる新しいパフォーマンスをお楽しみください
という菅井友香のMCで始まった大阪公演。

7ヶ月ぶりのライブとなった平手友梨奈は本調子ではなさそうだったが、大黒柱らしくほぼすべての楽曲でセンターを担った。

東京タワーはどこから見える?では全員が代わる代わるセンターを務め、欅坂46のダンスパフォーマンスを支える齋藤冬優花、鈴本美愉、佐藤詩織らも見せ場を作り、後半のダンストラックでは二期生も見事なソロダンスを披露してファンを驚かせた。

途切れることなく繰り広げられるダイナミックなパフォーマンスはまさに演劇を見ているようでもあった。

尾関梨香は、4月7日のブログで
今回の(大阪公演の)セットリストはとにかくずっと笑っていられる楽曲が多かった!
ライブ中にメンバーの笑みがたくさん見れて、会場の皆さんのコールや笑顔が見れて、なんだか改めて人の温かさを感じた毎日でした
と綴っている。

現状、グループのあり方や、メンバー間の想いにいろいろな問題を抱えている欅坂46にとって、ダークサイドを排除した大阪でのライブは、平手友梨奈以外のメンバーやファンが抱え込んでいたジレンマやフラストレーションを解消するために必要なライブであったのだ。

欅坂46のライブに飢えていたファンは、久々の大阪公演ライブに熱狂したが、一方でこういうテイストの欅坂46を本当にファンが望んでいるかには疑問が残るセットリストでもあった。

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3rdアニラ日本武道館公演セットリストが持つ意味とは?

欅坂46の冠番組“欅って書けない?”のMCを長らく務めている土田晃之は、自身のラジオ番組(日曜のへそ)で、3rdアニラの武道館でのライブは欅坂らしくカッコ良かったが、大阪のライブは、VTRを見て初めて“ちょいダサい”と感じたと話している。

実は、前述のインタビューの中で、平手友梨奈は、この大阪公演について強烈なダメ出しをしていた。

やっぱり、違うんだなって思いました
できるだけ責任を負わなきゃっていうのはわかりました
大阪の公演を見て、これが欅坂46だと思ってほしくない

インタビュー記事で切り取られた短い言葉だけで判断するのは危険であることは承知の上でも、平手のこの発言は不用意であり、不遜であるとのそしりは免れない。

しかし欅坂46の運営は、平手のこの発言を全面的に肯定して、5月の東京公演(日本武道館2days)では、大阪公演のセットリストを全否定するような強烈なセットリストを決めて、斬新な演出を施した。

それが欅坂46・3rdYEAR Anniversary LiVE日本武道館の怒涛の90分ライブである。

日本武道館公演セットリスト

M01:危なっかしい計画

武道館公演のオープニングは4月に行われた大阪公演のラストナンバー「危なっかしい計画」でスタートした。

タオルを振り回して大はしゃぎしたメンバー26人が横一列に並ぶと、キャプテンの菅井がいきなり“終演”を告げる。
(菅井MC)
大阪のアニバーサリーライブはこの『危なかっしい計画』を最後に幕を閉じました。
今回の『3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』は大阪と東京をまたいで一つのライブが完成いたします。
このライブでは、様々な方法で欅坂46のアイデンティティを届けたい。
このあとも東京のライブも最後まで楽しんでいってください
(全員)以上、欅坂46でした

とおなじみのあいさつで締めステージを降りる。

そして欅坂46メンバー26人による怒涛のパフォーマンスが始まるというトリッキーなオープニングである。

ファンの「欅坂!フォーティーシックス!」コールによって開演を告げるOvertureが流れた後には、メインセットの3つの逆三角形からなる巨大な砂時計が現れ、90分間の“ノンストップライブ”に突入した。

平手をセンターに「避雷針」「大人は信じてくれない」「月曜日の朝、スカートを切られた」「エキセントリック」と欅坂46らしいダークな世界観の楽曲を立て続けに投入していく。

M02:避雷針
M03.:大人は信じてくれない
M04.:月曜日の朝、スカートを切られた
M05.:エキセントリック
M06.:I’m out
M07.:Nobody
M08.:二人セゾン
MC2
私たちはこれからさまざまな方法で欅坂46のアイデンティティをお届けできればと思っています。欅坂46のメンバーによる新しいパフォーマンスをお楽しみください
【ダンストラック/影絵ダンスパフォーマンス】
M09:キミガイナイ
M10:もう森へ帰ろうか?
M11:君をもう探さない
M12:東京タワーはどこから見える?
M13:Student Dance
【レーザーショー~ダンストラック】
M14:語るなら未来を…
M15:風に吹かれても
M16:アンビバレント
ユニット曲なしで90分間全員で走り続けました。これから4年目の欅坂46もみんなで手を取り合って新しい道を切り拓いて行きたいと思います
【アンコール】
M17:黒い羊

ユニット曲やソロ曲を徹底排除して、平手友梨奈を中心として全曲・全メンバーで戦うという総力戦を展開したのだ。

そして、千秋楽のみ行われたアンコールでは、最新シングル「黒い羊」を二期生も含めて全員で披露。
一面に敷き詰められた真っ赤なバラの中で彼岸花を抱きしめながら倒れている平手の映像から始まり、メンバーはミュージックビデオの衣装で渾身のパフォーマンス。
歌詞の世界観に完全に入り込んだ平手は泣き声で「全部僕のせいだ」と振り絞り、観客の胸を締め付けた。
最後は小林由依が手にした彼岸花を“献花”し、そのままエンドロールへ。
花の中で横たわる平手が大粒の涙をこぼす映像で幕を下ろし、観客の拍手は鳴り止むことなく続いた。

2019年5月、欅坂46は、間違いなくアイドルのライブの歴史に新たな1ページを開いた。

自信のグループの中での役割に苦悩し続けていた齋藤冬優花は、5月12日のブログにこう綴った。

ライブの次の日は、
燃え尽き症候群になることが多い私ですが
今回はなぜか元気で。
なんでだろうなー?って考えた時に
多分、頑張った!燃え尽きた!!
っていうよりかは、
これからの未来にワクワクを感じたというか
そんな気持ちが今強い気がしていて、
これから先、欅坂がどうなっていくのか
相変わらず未知なのですが、
なんだか楽しみで。
久々の感覚というか、
常に自分自身にもグループにも
危機感は持っているのですが、
それと同時に、同じくらい
胸の高鳴りを感じています。

齊藤のこの思いは、多くのメンバーが感じたことでもある。

平手友梨奈には全否定された大阪公演だったが、多幸感溢れる大阪公演を経験したことで、自身のモチベーションを立て直すことができ、武道館の怒涛の90分に立ち向かうことができた。

そしてこの成功体験が、夏の全国アリーナツアーへとつながっていくことになる。

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欅坂46夏の全国アリーナツアー2019は如何にして伝説となったか

欅坂46夏の全国アリーナツアー2019は、3rdアニラのセットリストを逆再生するという、トリッキーな構成で行われた。

セットリスト
00. Overture
01. アンビバレント s/鈴本
02. 風に吹かれても s/ 小林
03. 語るなら未来を、 s/土生
~MC~ 小林・佐藤・菅井・松田・松平
~ダンスパート~
04. Student Dance
05. 東京タワーはどこから見える?
06. 君をもう探さない s/藤吉
07. もう森へ帰ろうか? s/鈴本
08. キミガイナイ
MC尾関・織田・小池・渡邊
~ダンスパート(二期生)~
09. 二人セゾン s/小池
10. Nobody
11. I’m out s/ 小林
~MC~ 関・武元・田村・森日
12. エキセントリック s/土生
13. 月曜日の朝、スカートを切られた s/守屋
14. 大人は信じてくれない s/菅井
15. 避雷針 s/鈴本
★ Encore
~MC~ グッズ紹介
16. 危なっかしい計画

このセットリストは、宮城・横浜・大阪・福岡と延べ10日間行われたライブで共通して採用されている。

怪我が回復してきた平手友梨奈は、8月27日の大阪公演から、本編のラスト曲“避雷針”でサプライズ出演を果たして、ファンを歓喜させた。

その後の大阪と福岡公演でも平手は“避雷針”のみの参加を続けた。

日に日にキレを増す平手のパフォーマンスに、9月の東京ドームファイナルで、平手友梨奈が完全復活するのではというファンの期待感は否応なく高まっていく。

平手友梨奈がWアンコールで流した涙の理由とは?~グループを背負う責任感が平手を大人にした~

東京ドームファイナルセットリスト

OPENING
OVERTURE
1. ガラスを割れ!
DANCE TRACK(1)
2. 語るなら未来を…
DANCE TRACK(2)
3. Student Dance
DANCE TRACK(3)
4. エキセントリック
5. 世界には愛しかない
6. 青空が違う
7. バレエと少年
8. 制服と太陽
9. 二人セゾン
10. キミガイナイ
11. もう森へ帰ろうか?
12. 僕たちの戦争
13. 結局、じゃあねしか言えない
14. サイレントマジョリティー
15. 避雷針
16. アンビバレント
17. 風に吹かれても
18. 危なっかしい計画
19. 太陽は見上げる人を選ばない
<ENCORE 1>
20. 不協和音
<ENCORE 2> ※19日のみ
21. 角を曲がる

東京ドームのセットリストでは、3rdアニラで排除したはずのユニット曲がしれっと復活している。

いわゆるダークサイドの曲とは違う世界観の“青空が違う”などのユニット曲は、平手が、3rdアニラ大阪公演で、“これが欅坂だと思ってほしくない”と言い放った元凶の曲である。

平手は何故これらのユニット曲を容認したのだろうか?

平手は表現者としてその表現を極限まで突き詰めたいと願っていた。

それが表現者平手友梨奈のレゾンデートル(存在意義)であり、矜持でもあった。

一方で、平手は多くのスタッフを擁する欅坂46というビジネスのエンジンでもある。

彼女の双肩には多くの大人の人生と生活がかかっているのだ。

平手友梨奈はライブにあたって、いつもこれが最後になってもいいという覚悟をもって、全身全霊でパフォーマンスに臨んできた。

リミッターを外すそのパフォーマンスは、常に危険と隣合わせで、何度も負傷をし、そのたびに次のライブを欠場する羽目に陥ってしまった。

そのたびに運営の現場は混乱を極め、スケジュールは修正を余儀なくされ、平手の不在によって、メンバーたちは自身のグループでの存在意義に直面させられてきた。

主要メンバーの一人であった今泉祐唯は、そんな現状に苛立ってグループの和を乱し、卒業してしまった。

欅坂46の中で自分が存在する意味を見失ってしまった長濱ねるも卒業を決めた。

欅坂46の21人の絆はいとも簡単に崩壊してしまった。

平手友梨奈と運営、平手と他のメンバーの間に埋めがたい溝が広がっていった。

表現者としての平手友梨奈の思いと、それを貫いてきたことが招いた軋轢に直面した平手友梨奈は、秋元康総合プロデューサーや今野義雄らの運営スタッフとの議論を重ね、次第に考えを変えていく。

それらの議論の中で、良くも悪くも平手友梨奈はオトナになっていった。

理想と現実、そのせめぎ合いの中で生まれた妥協の産物、それが今回の東京ドームファイナルのセットリストの真実である。

2時間を超えるライブで、平手友梨奈が出ずっぱりで、ステージに立ち続けることは、肉体的にも、精神的にも不可能なことだ。

一度は排除したはずの、世界観が異なるユニット曲を今回のセットリストで復活させたのには、そんな背景がある。

演出を洗練させることで、ライブの一貫性や物語性を強化して、ユニット曲の復活による世界観の破綻を回避する。

そういう大人の知恵を、平手友梨奈は受け入れたのだ。

平手友梨奈は良くも悪くも“大人の世界に足を踏み入れた”のである。

平手友梨奈は内心ではそのことに納得していないかもしれないし、悲しんでいるのかもしれない。

ただ、平手友梨奈は自分ひとりの思いだけででステージに立つことはできないことを十分すぎるほど理解しているし、何よりも欅坂46というグループとメンバーたちを愛している。

そのために自分はオトナにならなくてはならいことを学び、受け入れたのだろう。

東京ドームファイナルの最終日、Wアンコール曲に選ばれたのは、平手友梨奈主演映画“響-HIBIKI-”のエンディングテーマ“角を曲がる”であった。

コンテンポラリーダンスのようなCRE8BOYの振り付けで、平手が歌う歌詞が胸に刺さる。

わかってもらおうとすればギクシャクするよ
与えられた場所で求められる私でいれば嫌われないんだよね?
問題起こさなければ しあわせをくれるんでしょう?

みんなが期待するような人に
絶対になれなくてごめんなさい

平手は「“らしさ”って一体なに?」と自問自答をしながらもがく苦しみや、自分らしく生きようとする強い意思を、しなやかなダンスとともに表現し、観客を魅了する。

この瞬間平手は、曲の主人公と完全にシンクロしていた。

パフォーマンスの中でほとんど涙を見せない平手が、この時に泣いたのにはそんな理由があったのだ。

そして、最後は柔らかく微笑み、「ありがとうございました」と深く頭を下げ、観客の温かい拍手に包まれて東京ドームファイナルは幕を閉じた。

ステージで見せた涙は、目指す理想と現実のはざまで揺れる平手の心情と、平手が愛してやまない欅坂46とそのメンバーたちへの感謝の思い、何度も失望させたにもかかわらず、平手を信じてライブに足を運んでくれたファンへの感謝の気持ち、それらがないまぜになったものである。

そして欅坂46夏の全国アリーナツアー2019東京ドームファイナルは、欅坂46ライブ伝説と平手友梨奈伝説を更新した。

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角を曲がる 

★角を曲がる MV(Full Ver.)

”角を曲がる” MVはこちら

MVの演出は、映画響-HIBIKI-の監督月川翔、ダンスの振り付けは、平井堅と平手友梨奈のコラボでも振り付けを担当したCRE8BOYが担当している。

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