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成功がイメージできない”乃木坂46公式ライバル”僕が見たかった青空”プロジェクト~エイベックス会長・松浦勝人氏が秋元康氏に縋って一発逆転を狙う~

アイドル

”乃木坂46公式ライバル”グループスターティングメンバーオーディションが始まった

2023年2月1日、エイベックス株式会社の公式サイト(avex portal)上で、”乃木坂46公式ライバル”グループ結成決定!本日よりメンバー募集開始”という告知が発表された。

このプロジェクトは、エイベックス株式会社の松浦勝人会長直々の要望で、秋元康グループの支援を取り付けて発足したもので、2022年9月に文春オンラインでスクープされていた。

文春オンラインの記事によれば、2022年6月末のエイベックス社員総会では、AKB48の”会いたかった”が流れる中、スクリーンに『秋元康プロデュース』『超大型オーディション開催』の文字が躍ったという。
これまでにないグローバルかつ日本中から愛される“国民的アイドルグループ”の育成が目標だとされている。

近年、大ヒットを生み出すアーティストを発掘・育成することができず、停滞を続けるエイベックスが起死回生を狙って、恥も外聞もかなぐり捨て、ライバル企業であるSME(ソニーミュージックエンタテインメント)傘下のトップアイドルグループ”乃木坂46”の看板を借りて、新しいアイドルグループの開発・育成にとりかかったのである。

乃木坂46の最新の31stシングル(2022年12月リリース)は、初週売り上げ65万枚を記録、今や押しも押されもせぬトップアイドルで、ライブの興行収入やグッズ販売・CM出演などの関連事業を含めれば、乃木坂46は年間100億円超を稼ぎ出すビッグビジネスなのだ。

エイベックスの松浦会長が”乃木坂46公式ライバル”グループ成功の夢を見るのは無理からぬことである。

現下のアイドル界の情勢を見れば、坂道グループの1強体制であり、それを支えているのが天才プロデューサー秋元康氏だ。

だから新たなアイドルグループ成功の夢を見る人々が引きも切らず秋元康総合プロデューサー詣でを行っている。

秋元康総合プロデューサーは、プロジェクトのオファーを基本的に断わらない。

雑食系であり、もっと言えば悪食である。

だから無数のプロジェクトを手がけ、多くの華々しい成功を手にしているが、本人も言っているように、それ以上の無数の失敗も経験している。

天才プロデューサー秋元康の足元には、ひっそりと消えていった無数のプロジェクトの残骸が横たわっている。

エイベックスと秋元康総合プロデューサーとのプロジェクトで言えば、劇団4ドル50セントがその失敗したプロジェクトの一つである。

さらに秋元康総合プロデューサーは、AKB48や坂道グループでスキャンダルを起こして、卒業せざるをえなくなったメンバーたちを、エイベックスの関連プロダクションに引きとってもらうなど、松浦氏にはいくつかの借りがある。

多数のオファーの中で、秋元康総合プロデューサーが松浦会長の依頼を無碍にできなかったのにはそんな事情も絡んでいた。

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前途多難な”乃木坂46公式ライバル”アイドルグループプロジェクト

”乃木坂46公式ライバル”グループスターティングメンバーオーディション概要

▼オーディション告知(全文)

アイドルグループ「乃木坂46」の公式ライバルグループが結成されることが決定し、 本日2月1日(水)よりメンバー募集が開始されることが発表された。
株式会社Ligareaz Management (読み方: レガリアスマネジメント)が、 「がんばれ!ニッポンのアイドル」プロジェクトの第一弾として、「乃木坂46公式ライバルオーディション」を開催するもので、 2023年2月1日(水)~2月18日(土)で募集を行い、その後全国規模の大型オーディションを数ヶ月間かけて実施。
次世代を担うアイドルの原石を発掘し、2023年夏のデビューを目指していく。
「がんばれ!ニッポンのアイドル」 プロジェクトは、今一度”メイドインジャパン” のエンターテインメントやコンテンツパワーを強化して押し出していくことをコンセプトに、日本の女性アイドルやJ-POP ・J-Cultureに再注目し、日本全体を元気づけることに注力するプロジェクト。
その第一弾アーティストとして、日本を代表するアイドル 「乃木坂46」を目標として掲げたいという気持ちを乃木坂46が所属するソニー・ミュージックエンタテインメントにも伝え、「公式ライバル」 クレジットの快諾を得て、 新グループ結成が始動したという。
また、 「AKB48」の公式ライバルとして生まれた「乃木坂46」のように、 大きな背中を追いかけ、いつか共に日本のアイドルカルチャーを盛り上げていく存在になれることを目指し、 そのプロデュースを両グループのプロデューサーでもある秋元康氏に依頼。
今夏のメジャーデビューはエイベックス・エンタテインメントからを予定している。
メンバー募集は特設サイトから応募できるほか、 TikTokからの投稿による公開スカウトなども実施するとのことで、詳しくは公式サイトをチェックしてみて欲しい。

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オーディションの日程

1次選考(書類選考)
2023年2月1日(水) 4:00 ~ 2月18日 (土) 23:59
※随時審査を行い、通過者にはメールでご連絡いたします。

2次選考
2023年2月25日 (土) 東京
2023年2月26日 (日) 東京
2023年3月4日 (土) 大阪
2023年3月5日 (日) 名古屋
2023年3月11日 (土) 札幌
2023年3月12日 (日) 広島
2023年3月18日 (土) 仙台
2023年3月21日(火・祝) 福岡
2023年3月25日 (土) 東京
2023年3月26日 (日) 東京
※2次選考の日程・会場は指定させていただきます。

3次選考
2023年4月15日 (土) 東京
2023年4月16日 (日) 東京
※3次選考合格後、SHOWROOM配信を予定しています。

最終選考
2023年4月22日 (土) 東京
予定は変更になる可能性もあります。

▼乃木坂46公式ライバルオーディション応募サイトはこちら
乃木坂46公式ライバルオーディション応募サイト

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”乃木坂46公式ライバル”アイドルグループプロジェクトのアドバンテージとウィークポイント

AKB48の公式ライバルとしてスタートした乃木坂46の成功を目の当たりにして、多くのアイドルプロジェクトが、”2匹目のドジョウ”を目論んで生まれては消えていった。

2010年以降ミリオンセールスを連発してアイドル界の頂点に立ったAKB48。

2016年にはその覇権を乃木坂46に奪われ、以後乃木坂46の1強体制が続いている。

そして、その2つのグループのプロデューサーは稀代の天才秋元康氏なのだ。

しかし、2010年代半ばに起こったAKB48から乃木坂46への覇権の移行は、秋元氏が仕掛けたわけではない。

大衆が、言い換えれば”時代がそれを求めた”のだ。

秋元康総合プロデューサーは言う。
自分は故ジャニー喜多川さんのような、必ず将来スターになる逸材を見出す相馬眼は持っていない。
自分にできるのは、デビューしたアイドルの卵たちが持っている、ほんの小さな魅力の種を見つけて、それを大きく育てる或いは膨らませるお手伝いをするだけ、それが秋元康のプロデュースの流儀なのだと。

だから秋元康総合プロデューサーが関与したからといって、このプロジェクトの成功が約束されたわけではない。

次章では、このプロジェクトが持っているアドバンテージとリスクを挙げながら、その成否を占ってみたい。

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”乃木坂46公式ライバル”プロジェクトのアドバンテージ

このプロジェクトにおける唯一にして最大のアドバンテージは、”乃木坂46公式ライバル”という極めてキャッチーなワードの使用を許されたことだ。

つまり、オーディションの募集告知文にある通り、

日本を代表するアイドル 「乃木坂46」を目標として掲げたいという気持ちを乃木坂46が所属するソニー・ミュージックエンタテインメントにも伝え、「公式ライバル」 クレジットの快諾

を得たことにある。

実際には、SME(ソニー・ミュージックエンタテインメント)は”乃木坂46の公式ライバル”というワードの使用について、快諾したわけではなく、秋元康総合プロデューサーからの要望を断われなくて、渋々了解したというのが本当のところだろう。

実状がそうであっても、”乃木坂46の公式ライバル”アイドルという看板を使えることは大きなアドバンテージである。

”イコールラブ”や”ノットイコール三―”のプロデューサーである指原莉乃はきっと悔しがっているに違いない。

一にも二にも、”乃木坂46の公式ライバル”アイドルというパワーワードのインパクトは大きい。

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”乃木坂46公式ライバル”プロジェクト最大の弱点は秋元康氏のモチベーション

このプロジェクトには幾つかのウィークポイント=弱点がある。

ひとつは、秋元康総合プロデューサーのモチベーションの維持であり、秋元氏が物理的にどれだけの時間をこのプロジェクトのために使うことができるかということだ。

このプロジェクトは、秋元康氏がエイベックスの松浦勝人氏との個人的なしがらみで引き受けた案件であり、秋元氏はそれほど前向きではない。

秋元氏が、乃木坂46に費やしているような情熱と時間を、同じ熱量でかけられるとは思えない。

オーディションの最終審査には立ち会うだろうし、デビューシングルの制作には主体的にかかわるだろうが、その後のルーティンワークにはそれほど時間をかけることはないと思われる。

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秋元康氏 暗号資産で資金調達し育成する「新時代アイドルグループ」のプロデューサーに就任

デビュー後の表題曲の作詞は請け負うかもしれないが、坂道グループと同じように楽曲の選択まで請け負うとは考えにくい。

実は秋元氏は、もう一つの大きなアイドルプロジェクトを抱えており、そちらの方に食指が動いている。

そのプロジェクトは、株式会社オーバース(代表取締役佐藤義仁・取締役CEO澤昭人)が仕掛ける、ブロックチェーン技術とメタバースを活用した新たなアイドル領域の開拓を目指すプロジェクトだ。

佐藤氏は大手証券会社で勤務し、最近まで暗号資産業者で役員を務めていた人物。
澤氏は公認会計士で、大手証券会社役員を経て、やはり暗号資産に携わってきた人物。
さらに、佐藤氏はももいろクローバーZや私立恵比寿中学、Negicco、まちだガールズ・クワイアなど、澤氏は乃木坂46のファンという変わり種。

2人は、いまだ沈静化とは程遠いコロナ禍が、芸能界に暗い影を落としている中、暗号資産やブロックチェーンといった最新技術を活用し、こうしたダメージを受けにくい仮想空間(メタバース)で活躍できるアイドルグループを作りたいという思いから、暗号資産で資金調達をして、その資金のもとにAKB48や乃木坂46に匹敵するようなグループを立ち上げたいと考える。

これを実現するには、アイドルのエキスパートである秋元康総合プロデューサーの力を借りるしかないとして、二人は秋元康氏に熱烈なオファーをかけた。

その模様が、2022年9月8日放送のテレビ東京系「日経スペシャル カンブリア宮殿」(木曜午後11時6分)で放送されている。

新たな暗号資産を発行して販売した資金を原資にアイドルグループを立ち上げ、NFTなどのトークンをアイドルの応援に活用する。
暗号資産やトークンの保有状況によってファンの活動に還元したり、何かしらの恩恵や優位性を持たせる。

暗号資産やトークンの一部を自社でプールして、アイドルがグループを卒業する時に、退職金として渡す。
グループが大きくなればなるほど暗号資産の価値が上がっていくので、メンバーもファンもウィンウィンの関係になれる。
今、日本のアイドルが抱えている課題も、全てではないが、暗号資産を使いながら解決していける可能性がある。

株式会社オーバースは、2022年9月17日、秋元康氏が、同社が準備している新規アイドルグループ創造プロジェクトの総合プロデューサーに就任したことを発表する。

このプロジェクトでは、
IEO(Initial Exchange Offering)を通じて対象事業の資金調達を行い、その調達資金により新規アイドルグループを組成し育成を行う。
「ブロックチェーン技術とメタバースによる活動領域の拡大」をコンセプトとする、新規アイドルグループの活動を通じて、世界中のファンに、夢、希望、喜び、そして共感を与えていく。
としている。

秋元氏が、”乃木坂46公式ライバル”プロジェクトより、”暗号資産アイドル”にの方に強く興味を惹かれているのは一目瞭然である。

”暗号資産アイドル”プロジェクトでは、
2023年初 IEO実施
2023年春 メンバー募集・選考
2023年夏 メンバー最終選考、決定、育成 新アイドルグループ結成
2023年秋 新アイドルグループお披露目
というスケジュールが組まれており、”乃木坂46公式ライバル”プロジェクトと丸かぶりである。

”乃木坂46公式ライバル”は、秋元氏がプロデュースするとは言っているが、秋元氏が正式なプロデューサーとしてクレジットされてはいない。

一方の”暗号資産アイドル”プロジェクトでは、プロデューサーとして秋元氏の名前が明確にクレジットされている。

一見両者に違いはないように見えるが、実はこの差はとても大きい。

二つのプロジェクトへの秋元氏のかかわり方には明らかな差があり、”乃木坂46公式ライバル”プロジェクトへのかかわり方の方が”薄い”のだ。

その結果、”乃木坂46公式ライバル”プロジェクトの実質的なプロデューサーは、オーディションを主催している株式会社”Ligareaz Management Management”(レガリアスマネジメント)の代表取締役社長である赤塚善洋氏にならざるをえなくなってしまった。

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”乃木坂46公式ライバル”プロジェクトが抱えるウィークポイント

オーディションを主催している株式会社”Ligareaz Management Management”(レガリアスマネジメント)の代表取締役社長である赤塚善洋氏は、AKBグループとの繋がりが深く、近年はSKE48の運営に深く関わってきた。

しかし、その成果はそれほど上がっているとは言えない。

そしてそのことがこのプロジェクトの弱点に直結している。

坂道グループの運営会社であるSME(ソニーミュージックエンタテインメント・乃木坂46合同会社やseed&flower合同会社の親会社)は、10年余りの活動の中で、アイドルオーディションの実施についてのノウハウを地道に積み上げてきた。

その結果、坂道グループとりわけ乃木坂46のオーディションには、多数の応募があり、応募者のクオリティの高さが保たれている。

乃木坂46は結成から11年を経て、1期生が全員卒業してしまう現在を迎えて、極めて難しいと言われているアイドルグループの世代交代に初めて成功し、乃木坂46はそのパブリックイメージと高い人気を維持し続けている。

そして、その最大の理由は、オーディションの成功にある。

一方で、オーディションが上手く機能せず、世代交代に失敗したAKBグループは、コロナ渦でドル箱だった握手会を失い、大きく失速してしまい、いまだ浮上のきっかけをつかめずにいる。

赤塚氏率いる今回のプロジェクトが、パワーワードである”乃木坂46公式ライバル”というギミックで、現在行われているオーディションに、どれだけの質と数の応募者を集めることができるかがオーディションの成否の鍵なのである。

現在乃木坂46に所属しているメンバーは約40名、その中の15~20名が各シングル毎に、選抜メンバーとして選ばれ、音楽番組に出演したりCMに出演したりしている。

乃木坂46の公式ライバルと称する以上、新たなグループにも40名前後のメンバーが必要となる。

オーディションの審査で、スターティングメンバーを40名揃えることは至難の技だ。

2番目の坂道グループとして誕生した欅坂46は、スターティングメンバーを21名しか揃えられず、そのことがグループの運営を難しくしてしまい、ついには空中分解してしまった。(現在は櫻坂46に改名して活動中だが、その問題は未だに解決していない)

40名の合格者を出すには、最低でも50,000~60,000人の応募者が必要だろう。

しかし現状では、”乃木坂46の公式ライバル”というパワーワードを使ったとしても、せいぜい30,000人ほどの応募者を集められるかどうかだ。

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二つ目の問題は、エイベックスの育成部門にどれだけの人材を確保できているかだ。

SONYは、育成部門に一定数のデビュー前の人材を抱えていて、有望な人材には坂道グループのオーディションでシード権を与えて優遇している。

実際にその中から多くの人気メンバーが生れている。

エイベックスに、シードに値するような人材がどれだけいるかだが、残念だがそれほど期待はできそうにないようだ。

”avexアイドルオーディション2010”で始まった”アイドルストリート”プロジェクトは、SUPER☆GiRLSの後が続かず、最大で70名以上いたメンバーも13人(”SUPER☆GiRLS”9名と”わーすた”4名)まで減ってしまった。

そして、オーディションの実施時期として、2023年2月は決して有利な時期とは言えない。

乃木坂5期生、日向坂4期生、櫻坂3期生と、坂道グループのオーディションが立て続けに行なわれた直後で、その網にかからなかった逸材がどれだけ残っているか現実は厳しい。

”Ligareaz Management Management”(レガリアスマネジメント)の事業内容に”劇場運営”の項目がある。

新グループのためにAKB劇場のような劇場が用意されるかもしれない。

そうなれば、新グループの公演だけでなく、劇団”4ドル50セント”の公演もできることになる。

いずれにしても、”乃木坂46公式ライバル”プロジェクトの遂行において、赤塚善洋氏がどれだけ秋元康総合プロデューサーを引き込むことができるかが成功の大きな鍵となる。

”乃木坂46公式ライバル”アイドルグループプロジェクトが前途多難であることだけは間違いない。

”僕が見たかった青空” デビュー

2023年6月15日、秋元康プロデュースの乃木坂46公式ライバルのアイドルグループ”僕が見たかった青空”の23名のメンバーが発表された。

応募総数3万5678人の中から23人の合格者が選ばれた。

8月30日、1stシングル”青空について考える”でメジャーデビューを果たした。

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